日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT20] 浅部物理探査が目指す新しい展開

2022年6月2日(木) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (20) (Ch.20)

コンビーナ:尾西 恭亮(国立研究開発法人土木研究所)、コンビーナ:横田 俊之(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)、磯 真一郎(公益財団法人 深田地質研究所)、コンビーナ:木佐貫 寛(応用地質株式会社)、座長:横田 俊之(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)、尾西 恭亮(国立研究開発法人土木研究所)

11:00 〜 13:00

[HTT20-P03] 3次元統合物理探査とデータベースを活用した土質分布確率の推定

*小西 千里1木佐貫 寛1、高橋 一徳1櫻井 健1、西山 昭一1島 裕雅1 (1.応用地質株式会社)

キーワード:3次元物理探査、データベース、統合物理探査、不確かさ

OYOつくばオフィスの敷地内において、ノード型の受振器を用いた3次元微動探査と、送信・受信が独立した分散型電気探査装置を用いた3次元電気探査を組み合わせた3次元統合物理探査を実施した。解析対象範囲はおおよそ120m x 40m,探査深度は30mである。3次元統合物理探査結果により得られたS波速度と比抵抗を、河川堤防の統合物理探査結果のデータベースから作成した土質毎のS波速度と比抵抗の2次元の頻度分布と比較することで土質分布確率の推定を試みた。その際、河川堤防の統合物理探査データベースの物性値の取得深度よりもやや深いデータを扱うことになったため、深度によるS波速度の拘束圧依存関係を仮定し、補正したS波速度を用いてデータベースの物性値と比較した。その結果、既存情報と概ね整合する粘土、砂、砂礫それぞれの土質分布確率が推定できた。このような結果を用いることで、透水性把握、液状化判定、沈下圧密など、調査の目的に応じて検討対象土質が異なる問題に対し、確率的な評価が可能となる。また、推定土質分布として、得られた土質分布確率の中で最大を示すものを用いるほか、各土質の確率をRGBで表示することで推定土質分布の曖昧さを表現できる。さらに、ボクセルの透過度によって推定結果の信頼度を表現することも可能である。このような結果の提示方法は、地盤リスクを考えるうえで有用であるうえ、3次元地盤モデルの不確かさを表すひとつの方法と考えられる。