日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT21] 地理情報システムと地図・空間表現

2022年5月26日(木) 13:45 〜 15:15 301A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、コンビーナ:田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学)、座長:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学)

15:00 〜 15:15

[HTT21-06] 居住環境における距離感の差異

*三宅 一生1田中 一成1 (1.大阪工業大学)


キーワード:距離感、居住環境、認知空間

滞留空間での人々の行動選択には季節や滞留器具の配置など周辺環境による影響があり、取り上げている文献は多数存在する。 しかし、 アフォーダンスの元となる経験によっても行動は異なると考える。 現在高齢化が急速に進み、人口減少による郊外地域の過疎問題が生じている。居住地域により、学校、職場までの移動距離や交通手段が異なるといえる。都市地域と比較すると郊外地域は店舗数は少ない。つまり、都心部と郊外に在住している人では交通手段や周辺環境が異なり、それぞれ異なる時間感覚であると考える。 公共交通機関の待機時間や利用施設の距離といった生活環境による近い・遠い、早い・遅いは日々変化し ていくと考える。そこで生活環境による距離感の差異について定量化を行い、人々の生活における認知距離の構造を抽出することを目的とする。

対象地域として、阪府大阪市旭区と奈良県桜井市を対象に実験を行う。予備調査として奈良県桜井市での人々の滞留位置について調査を行なった。ここでは駅からの距離に対する人々の滞留位置に着目をし、滞留データをGISで表示を行い視覚化を行う。次に人々の距離感・時間軸の抽出を目的として、アンケート調査を行う。既往研究より居住履歴により認知距離に差が出ていることから来街者と居住者を対象に行った。被験者に距離を認知してもらうため、ある地点までの移動手段や移動時間を記述してもらい、実際の距離、移動時間との比較を行った。この結果、居住属性による認知空間の差異を見出した。


人々の生活には公共交通機関が関連しており、またその駅の路線形状がが人々の生活に関与しているのではないかと考える。今後の展開として、人々は目的地までの距離を乗り換えや駅の路線をもとに構築しており、実際とは異なっているのではないかと考える。 GIS を用いて人々の距離感を駅ごとに表し、実際の地図との比較を行い、仮想空間におけるゆがみについて取り上げていきたい。