日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-AG 応用地球科学

[M-AG37] CTBT IMS Technologies for Detecting Nuclear Explosion and Their Applications to Earth Science

2022年5月23日(月) 15:30 〜 17:00 102 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:Ozel Nurcan Meral(Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty Organization)、コンビーナ:松本 浩幸(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、コンビーナ:Metz Dirk(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)、コンビーナ:直井 洋介(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)、Chairperson:Nurcan Meral Ozel(Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty Organization)、直井 洋介(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)、Dirk Metz(Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty Organization)

15:30 〜 15:45

[MAG37-01] 東海放射性核種実験施設の運用

*栗原 寿幸1山本 洋一1古野 朗子1冨田 豊1 (1.国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)

キーワード:CTBT、IMS、東海放射性核種実験施設

JAEAは、包括的核実験禁止条約(CTBT)に係る国際監視制度(IMS)の一環として、東海放射性核種観測所(RL11)の運用を実施している。RL11は2006年に認証を受け、本格的な運用を開始した。放射性核種実験施設は、IMS放射性核種監視観測所で得られた大気捕集試料に含まれる粒子状放射性核種の詳細分析を実施し、CTBTOに分析結果を報告している。CTBTOは、放射性核種実験施設による詳細分析の結果から、IMS放射性核種監視観測所のデータの品質を管理している。認証以降、RL11では300件以上の試料の詳細分析を実施した。
2020年1月、RL11は高純度ゲルマニウム半導体検出器の経年劣化が進行したため分析システムを更新した。新分析システム導入にあたっての課題は、放射性核種監視観測所から送付される形状の違う6種類の試料について検出効率を定めることであった。検出効率は試料の形状を基にソフトウェアを用いて算出し、既知濃度の線源を用いた測定結果から、正確な値に近づけるように検出器ジオメトリの修正を行った。また、X線の干渉による放射能算出の誤差を防ぐために、銅板付きエンドキャップを導入した。
CTBTOは放射性核種実験施設での分析の品質保証の一環として、年に一度国際技能試験(PTE)を実施している。PTEでは、試験用に準備された未知試料の詳細分析を実施し、分析結果をCTBTOに報告する。2021年4月に新分析システムでPTE2021に参加し、全ての審査項目に合格して最高評価を獲得した。
本発表では、CTBT検証体制における東海放射性核種実験施設(RL11)の活動概要及び新分析システムの導入について報告する。