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[MAG39-11] 鉄-ウラン系酸化物固相の溶解反応
キーワード:鉄-ウラン酸化物、溶解挙動、XRD
東京電力福島第一原子力発電所では, 燃料デブリ取り出しに向けた取組みが進んでいる。回収する燃料デブリは深地層へ直接処分される可能性があるため,水中での燃料デブリの溶解反応や溶出した核種の化学状態の知見の蓄積およびそのモデル化は,処分安全評価の信頼性向上に不可欠である。燃料デブリの種類や性状は,生成時の雰囲気・温度に依存するが,炉内に大気が流入したとされる条件下ではFeUO4の生成が示唆されている(D. Akiyama et al. 2019, V. Almjashev et al. 2011)。この複合酸化物中のUは5価との報告例(X. Guo et al. 2016)もあるものの,水中での溶解反応について検討した事例は皆無である。そこで本研究ではFeUO4の溶解反応について検討を行った。FeUO4を所定の温度、酸素圧下にて加熱合成したのち,硝酸に浸漬して未反応のU酸化物を除去した後にpH 2~8の液に浸漬した。所定期間後, pH, Eh値の測定、ICP-MSによる溶存Fe, U濃度の測定を行った。またXAFSおよび粉末 X線回折を用いて浸漬前後の固相状態を評価した。結果からFeUO4は溶解時,Fe(III)/Fe(II)とU(V)/U(VI)との酸化還元反応を伴った溶解反応であると解釈された。当日は浸漬前後のFeUO4固相の状態評価についても報告する。