日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI29] Data assimilation: A fundamental approach in geosciences

2022年6月3日(金) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (33) (Ch.33)

コンビーナ:中野 慎也(情報・システム研究機構 統計数理研究所)、コンビーナ:藤井 陽介(気象庁気象研究所)、三好 建正(理化学研究所)、コンビーナ:加納 将行(東北大学理学研究科)、座長:中野 慎也(情報・システム研究機構 統計数理研究所)、藤井 陽介(気象庁気象研究所)、三好 建正(理化学研究所)

11:00 〜 13:00

[MGI29-P02] 海面水温の解析精度向上に向けた海洋4D-Varスキームの改良

*碓氷 典久1藤井 陽介1広瀬 成章1高野 洋雄1 (1.気象研究所)

キーワード:海面水温、4次元変分法、データ同化

多くの海洋データ同化システムでは、最適内挿法などで格子化された海面水温を同化に利用している。しかし、そのような格子化された海面水温データは、格子化の際の統計処理により観測で得られた海面水温変動が時空間的に平滑化されてしまう。したがって、高解像度の海洋データ同化システムでは、格子化されたデータではなく、より生に近い衛星のレベル2データを直接同化するほうが望ましい。本研究では、4次元変分法の枠組みの中で海面水温場を高精度に解析する手法について検討する。通常、海洋の4次元変分法では、同化窓を10日程度に設定し、初期値に対する修正量を制御変数として評価関数の最適化を行う。しかし、この設定は、海流の変動や海洋内部の水温の変化等の推定には妥当であるが、大気フォーシングの影響を強く受ける海面水温の改正には妥当ではないと考えられる。そこで、本研究では、同化窓は従来の10日としたまま、日々の海面水温インクリメントを独立制御変数とすることで、外洋の中規模変動は従来と同等の精度を保証しつつ、海面水温場の詳細な時空間変動の再現を目指す。このスキームを実装し、ひまわり海面水温の同化実験を行ったところ、本スキームを適用することで、従来手法に比べて日本周辺の海面水温フロントの詳細な変動が高精度に解析されることを確認した。発表時には、テスト実験の結果に加えて、背景誤差共分散行列の設定などについても議論したい。