日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI35] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2022年5月30日(月) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (38) (Ch.38)

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、コンビーナ:野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、コンビーナ:深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)、座長:深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、村田 健史(情報通信研究機構)

11:00 〜 13:00

[MGI35-P01] バイナリベクトルタイル化された歴史的境界データを活用した自治体防災WebGISの試み(2)

*村田 健史1北本 朝展2川鍋 友宏1深沢 圭一郎3、村永 和哉4山本 和憲1村上 雄樹1 (1.情報通信研究機構、2.国立情報学研究所、3.京都大学、4.株式会社セック)

キーワード:WebGIS、Mapbox、iTowns、耐災害

本発表では、情報・システム研究機構のデータサイエンス共同利用基盤申請プログラム(ROIS-DS)の2021~2023年度課題「2021-2023地域災害情報WebGISプロジェクト」の報告を行う。計画は、、各年度で次の通りの計画を提案している。
 2021年度は複数個所(複数自治体)で公開されている地域災害データベースを分析し、多くの自治体で利用できる過去の災害情報データベース(以下、「歴史的災害情報データベース」という。)の設計を行う。その際に、防災科研の「災害事例データベース」の項目や整備が進む災害イベントIDなどを利用する。また、過去の災害事象と災害発生の時空間情報や地理情報を結びつける。地理情報は各種の災害に関連する地物を対象とする。たとえば、河川氾濫では河川や橋梁が対象となる。また、土砂災害では山や丘などの地名と紐づくことが予想される。なお、これらのIDは、すでに何らかの組織により付与されたものがあれば、それらを用いる。たとえば河川IDについては、国土交通省が付与したデータ(国土数値情報)を北本が公開している(https://geoshape.ex.nii.ac.jp/river/)。また、橋梁IDについては、(ID化はされていないが)次のようなサイトがある(https://info.qchizu.xyz/tile/mlit_road/)。
 2022年度は2021年度のデータベース設計をもとに、国内の複数自治体を対象とした災害WebGISのための歴史的災害情報データベースを実装する。対象自治体としては、人口数10万人を超える都市域と10万人以下の地方都市から、最低でも一つずつの市区町村をピックアップする。さらにこのデータベースを利用して過去の災害事例をWebGISで時系列可視化するサンプルWebアプリを開発する。これにより今後、国内の幅広い自治体において利用できる地域災害情報WebGISアプリケーションのテンプレートを作成する。その際には各自治体のハザードマップや避難情報など、他の機関において整備が進むデータを取り込みつつ相互運用も可能な設計を目指す。
 2023年度は2022年度の成果をもとに全国の市区町村を対象とした歴史的災害情報データベースと地域災害情報WebGISアプリケーションの実装を目指す。1700を超える日本の市区町村全ての歴史的災害情報データベース実装は容易ではないので、データ登録の自動化を検討する。また、当プロジェクトで構築する歴史的災害情報データベースに自治体が自主的に登録するためのWebインターフェースも用意する。これらを用いて国内の多くの自治体のための地域災害情報WebGISアプリケーションを実装する。