日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI35] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2022年5月30日(月) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (38) (Ch.38)

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、コンビーナ:野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、コンビーナ:深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)、座長:深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、村田 健史(情報通信研究機構)

11:00 〜 13:00

[MGI35-P15] WebGLを用いた3次元地質モデルビューアの開発

*野々垣 進1中澤 努1 (1.国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)

キーワード:WebGL、3次元、地質モデル、都市域

産総研地質調査総合センター(GSJ)では,層序学研究や公共工事のために作成されたボーリングデータを利用して,深さ数十メートルを対象とした3次元地質地盤図の整備を行っており,その成果をウェブサイト“都市域の地質地盤図”(https://gbank.gsj.jp/urbangeol/)で公開している.本ウェブサイトでは,複数の地層境界面から構成される3次元地質モデル(サーフェスモデル)を,岩石の種類や固さで配色したボーリングデータとともに閲覧することができる.しかし,3次元モデルは,現在では使われることが少なくなったVRML形式で管理されているため,その表示にはウェブブラウザに対応したプラグインが必要であった.このVRMLデータの表示におけるプラグインに関する問題は,GSJが整備する都市域の3次元地質情報の利用を促進するうえで大きな障害であった.
本研究の目的は,都市域における地下浅部の3次元地質情報をわかりやすく,使いやすい形で提供することである.そこで,JavaScriptベースの3次元地質モデルビューアを開発した.このビューアは,WebGLを利用して3次元地質モデルをウェブブラウザ上に表示するものである.WebGLの制御には,主要な3DCGライブラリのひとつであるthree.jsを用いている.開発したビューアは,個々の地質境界面の表示・非表示,ボーリングデータのテクスチャ画像の切り替え,光源位置や背景色の設定,3次元表示における高さの倍率の調整などを行う機能を持ち,VRMLを利用する場合のようにプラグインを必要としないのが特徴である.また,マウスでクリックした地点における地質境界面やボーリングデータの属性情報を取得することができる.これらの機能は,地下の地質構造を容易に理解するうえで有用である.
本発表では、開発したビューアの概要について,機能を中心に紹介する.