日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS02] Evolution and variability of the Asian Monsoon and Indo-Pacific climate during the Cenozoic Era

2022年5月31日(火) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (29) (Ch.29)

コンビーナ:佐川 拓也(金沢大学理工研究域)、コンビーナ:松崎 賢史(東京大学 大気海洋研究所)、座長:佐川 拓也(金沢大学理工研究域)、松崎 賢史(東京大学 大気海洋研究所)

11:00 〜 13:00

[MIS02-P01] ベンガル湾堆積物に含まれる葉ワックスから復元した過去146万年間の大気中二酸化炭素濃度

*山本 正伸1、クレメンス スティーブ2関 宰3、土屋 優子1、フアン ヨンソン2大石 龍太4阿部 彩子4 (1.北海道大学大学院地球環境科学研究院、2.ブラウン大学、3.北海道大学低温科学研究所、4.東京大学大気海洋研究所)

キーワード:二酸化炭素、氷期・間氷期変動、中期更新世遷移期

現在,極域の氷の量が少ない時期の大気中CO2を復元し,将来予想されるような条件下での地球の炭素循環をより正確に把握することに大きな力が注がれています.本研究では,東インドにおけるC3/C4植物植生の分布の変化から得られたCO2濃度と長鎖脂肪酸δ13C値のユニークな関係を利用して,過去146万年間の大気中CO2を復元した.その結果,CO2変動は氷期-間氷期のタイムスケールにおいて,地球上の氷量および深海循環の変動と密接に連動していることがわかった.予想外に,更新世中期遷移(MPT;90万年前)以前では大陸氷量が少ないにもかかわらず,間氷期CO2濃度はそれ以降よりも低かった.その一方で,CO2は深海炭素同位元素と同様の経年的傾向を示していた.MPT期間中に,CO2と氷量のサイクルの相対的な位相のシフトが起こった.これらの結果は,深層海洋循環がCO2の長期トレンドを制御していたこと,そしてMPT期間中にCO2,大陸氷,深層海洋循環の相互作用が再編成されたことを示唆している.