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[MIS02-P08] 古気候モデル出力に見い出された最終氷期の全球気候帯
キーワード:古気候、古気候モデル相互比較プロジェクト、最終氷期、世界気候帯、教師なし機械学習クラスタリング
本研究は、東京大学で開発が進められている全球気候モデルMIROCで、古気候モデル相互比較プロジェクト(PMIP)の第3期(PMIP3)に参加しているMIROC-ESMの出力結果を用い、最終氷期(LGM:約2.1万年前)の世界気候帯解析を行う。ここでは、教師なし機械学習のクラスタリング、k-means++、を気温、比湿、そして比湿の帯状平均からのずれの3物理量に適用し、分類されたデータの空間分布から世界気候帯を決定する。
気温や比湿についてのクラスタリングは、南半球よりも北半球、特に中緯度域で現在気候帯との大きな相違を示す。そして相違が見られた領域は全て現在よりも寒冷な気候帯の赤道方向拡大であった。すなわちLGMの気候帯は現在と比べて、全球平均で約5°程度赤道方向にずれており、特に北半球暖候期(4~9月)の気候帯は10°近く赤道方向へずれていた。また気候帯のLGM-現在間での緯度相違は、冬半球よりも夏半球で大きく、その夏冬差は、北半球で約4度、南半球で約1度であった。
比湿の帯状平均からのずれについてのクラスタリングは、北半球寒候期(10~3月)のアジアからシベリアにかけてと暖候期の北米西岸にLGMに幾分湿潤な気候があったことを示す。LGMの北半球暖候期、ローレンタイド氷床よりも東方は、現在よりやや乾燥した気候であった。
LGM中の東アジアは、ほぼ全域がより寒冷な気候帯に覆われており、加えて寒候期の黄海周辺は湿潤な気候に、暖候期の黄海から日本海にかけての領域は、より乾燥した気候であったことを示す。
気温や比湿についてのクラスタリングは、南半球よりも北半球、特に中緯度域で現在気候帯との大きな相違を示す。そして相違が見られた領域は全て現在よりも寒冷な気候帯の赤道方向拡大であった。すなわちLGMの気候帯は現在と比べて、全球平均で約5°程度赤道方向にずれており、特に北半球暖候期(4~9月)の気候帯は10°近く赤道方向へずれていた。また気候帯のLGM-現在間での緯度相違は、冬半球よりも夏半球で大きく、その夏冬差は、北半球で約4度、南半球で約1度であった。
比湿の帯状平均からのずれについてのクラスタリングは、北半球寒候期(10~3月)のアジアからシベリアにかけてと暖候期の北米西岸にLGMに幾分湿潤な気候があったことを示す。LGMの北半球暖候期、ローレンタイド氷床よりも東方は、現在よりやや乾燥した気候であった。
LGM中の東アジアは、ほぼ全域がより寒冷な気候帯に覆われており、加えて寒候期の黄海周辺は湿潤な気候に、暖候期の黄海から日本海にかけての領域は、より乾燥した気候であったことを示す。