日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS11] ジオパーク

2022年5月22日(日) 15:30 〜 17:00 302 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:尾方 隆幸(琉球大学大学院理工学研究科)、コンビーナ:青木 賢人(金沢大学地域創造学類)、田所 敬一(名古屋大学地震火山研究センター)、コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、座長:大野 希一(鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会事務局)、道家 涼介(神奈川県温泉地学研究所)、松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)

15:45 〜 16:00

[MIS11-02] 日本のジオパークにおける活断層の分布と活用状況

*道家 涼介1山口 勝2吾妻 崇3中埜 貴元4安江 健一5藤原 広行6香川 敬生7、中島 秀敏8 (1.神奈川県温泉地学研究所、2.日本放送協会、3.産業技術総合研究所地質調査総合センター、4.国土地理院、5.富山大学都市デザイン学部、6.防災科学技術研究所、7.鳥取大学工学部、8.日本測量調査技術協会)

キーワード:ジオパーク、活断層、活用状況、アンケート調査

ジオパークとは,地球科学的に価値のあるサイトや景観を有するエリアにおいて,保護活動,教育活動,ジオツーリズムなどの活動を通して地域の持続可能な開発を行う,ユネスコによるプログラムである.他国のジオパークとは異なる日本のジオパークの特徴として,日本列島全体が変動帯に位置し,多くのジオパークにおいて「変動する大地」をテーマにしていることが挙げられる.活断層は,活火山と並び,日本列島の大地の変動を象徴するものであり,活断層に係る研究者が,ジオパーク活動を支援することには大きな意義がある.本発表では,筆者らが委員を務める日本活断層学会普及教育委員会が,今後のジオパーク活動支援の方針を検討するために実施したアンケート調査の結果を報告する.
アンケート調査は,日本ジオパーク認定地域(44地域)および準会員地域(12地域)を対象に実施した.アンケートの回収率は約66%(56地域中37地域)で,ジオパーク認定地域に限れば,約73%(44地域中32地域)であった.
アンケート調査の結果,約41%の地域が活断層をジオサイトとして活用しており,約62%の地域が何かしらの形で活断層を説明していることが明らかとなった.加えて,約81%の地域において,地震や活断層に対する防災の取り組みが行われていることが明らかとなった.一方で,エリア内に活断層が分布しているものの,それらをジオサイトなどとして活用できていない地域もあり,その理由として適切な観察地点がないことが挙げられている.こうした地域に対しては,活断層の専門家によるサポートが必要であると考えられる.