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[MIS13-10] カナダ・バンクーバー島西岸における西暦1700年カスケード地震以前のイベント堆積物とその年代
キーワード:イベント堆積物、年代測定、西暦1700年カスケード地震、バンクーバー島、カスケード沈み込み帯
カスケード沈み込み帯に隣接する北米大陸西岸では,沿岸の塩性湿地に残る地震性沈降及び津波の痕跡や深海底のタービダイトから,過去の巨大地震の履歴や規模などが検討されている.多くの古地震痕跡の研究から復元された履歴は,最新イベントである西暦1700年の地震(Mw 8.7–9.2)から約1万年前にまで遡る.陸上の地質痕跡とタービダイトの記録から推定される巨大地震の履歴は過去3000年間おおむね一致しているが,西暦1700年の一つ前の巨大地震の年代については両者に食い違いがあり,議論が続いている.
カスケード沈み込み帯北端部に面するカナダ・バンクーバー島西岸の塩性湿地や湖沼では主に1990年代に調査が行われ,西暦1700年及びそれ以前の古地震痕跡が報告されている.そこで,本研究では,バンクーバー島西南部の3か所の塩性湿地において,1700年の津波堆積物の下位のイベント砂層の年代を詳細に検討した.イベント砂層の上下の泥炭~粘土層から採取した植物化石の放射性炭素年代から,その堆積年代は西暦1330~1430年と推定された.この年代は,北米西海岸の陸上の古地震痕跡から推定されている,1700年の1つ前のイベント年代(西暦1030~1170年)より若い.一方,タービダイトから推定される1700年の1つ前のイベント年代(西暦1402~1502年)とは部分的に重なり,対比可能である.
カスケード沈み込み帯北端部に面するカナダ・バンクーバー島西岸の塩性湿地や湖沼では主に1990年代に調査が行われ,西暦1700年及びそれ以前の古地震痕跡が報告されている.そこで,本研究では,バンクーバー島西南部の3か所の塩性湿地において,1700年の津波堆積物の下位のイベント砂層の年代を詳細に検討した.イベント砂層の上下の泥炭~粘土層から採取した植物化石の放射性炭素年代から,その堆積年代は西暦1330~1430年と推定された.この年代は,北米西海岸の陸上の古地震痕跡から推定されている,1700年の1つ前のイベント年代(西暦1030~1170年)より若い.一方,タービダイトから推定される1700年の1つ前のイベント年代(西暦1402~1502年)とは部分的に重なり,対比可能である.