日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] 生物地球化学

2022年6月3日(金) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (29) (Ch.29)

コンビーナ:木庭 啓介(京都大学生態学研究センター)、コンビーナ:柴田 英昭(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター)、大河内 直彦(海洋研究開発機構)、コンビーナ:山下 洋平(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、座長:木庭 啓介(京都大学生態学研究センター)

11:00 〜 13:00

[MIS14-P07] FoRothCsモデルを用いた福島の森林生態系におけるリター層137Cs放射能濃度の時空間分布の推定

*仁科 一哉1、林 誠二1 (1.国立環境研究所)

キーワード:137Cs、Litter

森林生態系に沈着した137Csの多くは土壌に吸着され、長期にわたり安定的に保持されることが知られている。一方で、一部の137Cは森林生態系の中で循環し、高い生物利用性を示す。その中でも森林林床のリター層(有機物層)は、森林生態系内および流出先の河川生態系における生物の二次的な汚染源になることが知られている。そのため、長期に渡って、リター層の137Cs濃度を予測することは生態系の137Cs動態を知る上で非常に重要である。本研究では、放射性生態学モデルFoRothCsを用いて、福島県内の汚染域におけるリター層の137Cs濃度の時空間推定を試みた。本モデルは、バイオマス/炭素動態と137Cs動態がカップリングされているため、リター層の濃度推定が可能となっている。本研究では様々な空間詳細データをもとに福島県広域のリター層の137Cs濃度を推定し、その結果が既存の観測と概ね良好であること、また環境要因がその動態に影響することを明らかにした。