日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS17] 水惑星学

2022年5月25日(水) 15:30 〜 17:00 105 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:関根 康人(東京工業大学地球生命研究所)、コンビーナ:福士 圭介(金沢大学環日本海域環境研究センター)、臼井 寛裕(東京工業大学地球生命研究所)、コンビーナ:渋谷 岳造(海洋研究開発機構)、座長:臼井 寛裕(東京工業大学地球生命研究所)、渋谷 岳造(海洋研究開発機構)、玄田 英典(東京工業大学 地球生命研究所)、福士 圭介(金沢大学環日本海域環境研究センター)、関根 康人(東京工業大学地球生命研究所)

16:00 〜 16:15

[MIS17-09] 非晶質マグネシウム炭酸塩の溶解度:火星表層におけるマグネシウム炭酸塩の希少性

*北島 卓磨1福士 圭介2 (1.金沢大学大学院、2.金沢大学環日本海域環境研究センター)

キーワード:非晶質マグネシウム炭酸塩、溶解度

近年の衛生や探査ローバーを用いた化学的・鉱物学的分析の発展や高精度リモートセンシング観測により、広大な谷地形やデルタ、粘土鉱物を含む湖沼堆積物など、かつて火星に大規模な水循環が存在した証拠が見つかっている。閉鎖湖跡や谷地形からはかつての火星は氷点下付近の乾燥した気候であったことが示唆されている。また、大気はCO2を主成分としており、H2やCH4といった温暖化ガスによって温度が保たれていたと考えられている。
CO2分圧の高い大気条件で玄武岩質な地殻を有する火星では、Mg-,Fe-carbonateが水ー岩石反応によって生成し易いと考えられる。しかし、火星表層での自生炭酸塩は少ないことが分かっている。本研究は一般的に生成すると考えられている結晶性マグネシウム炭酸塩ではなく、それらの前駆体である非晶質マグネシウム炭酸塩(AMC)に着目した。溶解度を実験的に見積もり、初期火星の大気・温度条件におけるマグネシウム炭酸塩の生成について議論を行った。