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[MIS20-P05] 東南極におけるラングホブデ氷河としらせ氷河の接地線の検出
キーワード:接地線、二重差分干渉SAR解析、棚氷、潮汐変動
氷床から海洋に流れ出る溢流氷河において,氷河底部の陸地と海洋の境界線は「接地線」と呼ばれ,その境界より下流の海洋に位置する部分は「棚氷」と呼ばれる.棚氷は海洋潮汐の影響で鉛直方向に上下動するのに対し、着底している氷河底部は動かない.この境界域である接地線の位置を調べるため,2時期のマイクロ波衛星データのペアを干渉させ,潮汐変動で生じる変動量をマイクロ波の位相差で示す差分干渉SAR解析が用いられてきた.しかし,生じる位相差がペア間の潮位差の大小により変わることから,使用する干渉ペアによって鉛直変化が生じる位置が変化してしまうという問題がある.本研究では,東南極のラングホブデ氷河と白瀬氷河において,多時期のALOS-2/PALSAR-2とCOSMO-SkyMedのマイクロ波データで差分干渉SAR解析による2組の画像データを作成し,その差分を行うことにより氷河流動に伴う位相差を除去する「二重差分干渉SAR解析(DDInSAR)」を用いて,画像ペアに依存した潮汐変動により生じる「棚氷」の鉛直変動領域の考察,及びラングホブデ氷河と白瀬氷河の接地線の検出をおこなった.