日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS26] ガスハイドレートと地球環境・資源科学

2022年5月26日(木) 15:30 〜 17:00 203 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:戸丸 仁(千葉大学理学部地球科学科)、コンビーナ:八久保 晶弘(北見工業大学)、後藤 秀作(産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門)、座長:後藤 秀作(産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門)、八久保 晶弘(北見工業大学)

16:00 〜 16:15

[MIS26-07] 山形県酒田沖最上トラフにおける海洋CSEM調査及び比抵抗構造解析について:表層型メタンハイドレート賦存状況調査

*小森 省吾1横田 俊之1後藤 秀作1 (1.国立研究開発法人産業技術総合研究所)

キーワード:メタンハイドレート、CSEM法、HR3D、比抵抗、異方性

メタンハイドレートは非在来型天然ガスの1つであり、次世代資源としての利用が期待されている。日本海東縁海域にあたる山形県酒田沖,最上トラフでは、サブボトムプロファイラ(SBP)による調査が実施され、ガスを含む流体の存在が示唆される構造的特徴(音響空白域)を持つ海丘が発見された。さらに、同海丘にて実施したLWDによる調査では、頂部に塊状のメタンハイドレートの存在が示唆されている。これらの背景の下、同海丘におけるメタンハイドレートの賦存状況の空間的把握を目的とし、2017年9月に3次元海洋電磁(CSEM: controlled source electromagnetics)探査を実施した。
調査には米国スクリプス海洋研究所のSUESI-Vulcan CSEMシステムを使用した。深田サルベージ建設株式会社が操船する調査船より同システムを海底面からの高度50-100mに曳航し、送信機(SUESI)のアンテナ(ダイポール長:50m, 送信電流:200A程度)から電磁場を発生させ、送信機より一定間隔で離れた4台の受信器(Vulcan)により海底下地層の比抵抗分布に伴って生じる電場3成分(Ex, Ey, Ez)を記録した。送信電流は1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17 Hzに強度のピークを持つよう調整された波形を使用している。
得られた電場の時系列データは、電流ソースのダイポールモーメントにて規格化した後、同時に記録された受信機の姿勢情報(yaw, roll, pitch)の情報を元に水平2成分と鉛直成分に変換し、周波数領域に変換の後、3次元構造解析に用いた。構造解析では、1) 使用するデータの成分数 2)地層比抵抗の異方性 3)地層比抵抗の初期条件 等の条件を変えて解析を実施し、解析結果のロバスト性を検討した。3)においては、LWDや2019年7~8月に実施した高密度3次元反射法探査(HR3D)の結果を用いている。本発表では、上記条件下での解析結果について報告する。
本研究は経済産業省のメタンハイドレート開発促進事業の一部として実施した。