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[MIS26-09] 北海道日高沖太平洋でのメタンハイドレート調査
キーワード:メタンハイドレート、海底地形、海底堆積物
北海道周辺海域では,網走沖,奥尻島沖,日高沖,十勝沖などにおいてメタンハイドレートの存在指標の一つである海底擬似反射面(BSR)が確認されている。また,日高沖太平洋では,産業技術総合研究所が2006年に調査航海(GH06)を行っている。調査で行われた音波探査での音波断面図を確認すると,調査測線においてガスチムニー構造やマウンド地形などが約10か所で確認された。さらに,北海道総合研究機構の調査船「金星丸」による漁業調査では,観測測線の複数地点でガスプルームが観測されている。そこで,日高沖太平洋におけるメタンハイドレートの賦存状況を調査するために,2020年と2021年に海洋エンジニアリング調査船「第2開洋丸」(2K-2020)及び北海道大学水産学部附属練習船「おしょろ丸」(C114)による調査を行った。調査では,マルチビーム音響測深器や計量魚群探知機による海底地形・ガスプルーム観測や重力式コアラーによる海底堆積物の採取を行った。調査の結果,小規模の多数のダイヤピルや海底地すべり地形,伏在背斜軸付近においてガスプルームが観測された。2021年に行った調査(C114)では,ガスプルームが確認された1地点においてメタンハイドレートの採取に成功している。本報告では,海底地形と海底堆積土の土質特性の関係,ガスプルーム地点と海底地形の関係などについて,日高沖での調査結果に基づいて報告する。