11:00 〜 13:00
[MIS26-P12] 日本海東縁佐渡北東沖のガスシープ分布とその地下構造の検討
キーワード:ガスシープ、ガスプルーム、佐渡島、日本海
本研究では、佐渡北東沖における8年間のガスシープ分布と極浅層地下構造の統合解析から、ガスシープ(湧出)を支配する地下構造を検討した。
佐渡北東沖約40km、岩船沖油ガス田から約50kmに位置する陸棚斜面付近では、2013年および2016年に新潟県によって実施された調査によってガスシープが観測されている(新潟県, 2013 & 2016)。2021年7月と11月には、詳細なガスシープ分布と地下構造を調査するため、水中音響、サブボトムプロファイラー(SBP)、CTD調査が独立総合研究所によって実施された。
本研究では、2013年から2021年の水中音響調査、地球物理・化学調査データ(Asakura et al., 2021にて一部報告済)を用いて統合解析を行い、ガス湧出を支配する地下構造の検討を行った。本海域のガスシープはガスハイドレート安定領域上限(TGHSZ)直下と大陸棚上に集中していることが確認された。将来的に、異なる地下ガス供給源から湧出しているシープサイトを評価・比較するため、本研究ではエリア内に分布するガスプルームのクラスター解析とクラスターサイズ分類を行った。大規模なクラスターは、日本海東縁部に存在する断層群と調和的な北北東―南南西の分布トレンドに沿って存在していた。SBPデータから、TGHSZ以深で複数の断層系や、断層崖あるいは浸食崖の存在が認められた。その周辺では、ガス―流体システムの存在を示唆するガスチムニー、音響ブランキング、強反射面や音響的濁度が見られ、その直上で多数のプルームが観測された。TGHSZ以浅の極浅層地下構造は、明確に観測することが困難であった。
本海域周辺の地質背景も考慮すると、本調査地域でのガス湧出は、その地下に存在すると考えられるNNE-SSW断層系との関連を示唆している。ガス供給源は、この地域の代表的な石油・天然ガスの貯留層である平瀬層群からの炭化水素ガスである可能性が考えられる。本調査海域のガスシープの分布は、本調査地域と新潟沿岸地域との間の大陸棚上にさらに多くのガスシープが存在する可能性を示唆する。
佐渡北東沖約40km、岩船沖油ガス田から約50kmに位置する陸棚斜面付近では、2013年および2016年に新潟県によって実施された調査によってガスシープが観測されている(新潟県, 2013 & 2016)。2021年7月と11月には、詳細なガスシープ分布と地下構造を調査するため、水中音響、サブボトムプロファイラー(SBP)、CTD調査が独立総合研究所によって実施された。
本研究では、2013年から2021年の水中音響調査、地球物理・化学調査データ(Asakura et al., 2021にて一部報告済)を用いて統合解析を行い、ガス湧出を支配する地下構造の検討を行った。本海域のガスシープはガスハイドレート安定領域上限(TGHSZ)直下と大陸棚上に集中していることが確認された。将来的に、異なる地下ガス供給源から湧出しているシープサイトを評価・比較するため、本研究ではエリア内に分布するガスプルームのクラスター解析とクラスターサイズ分類を行った。大規模なクラスターは、日本海東縁部に存在する断層群と調和的な北北東―南南西の分布トレンドに沿って存在していた。SBPデータから、TGHSZ以深で複数の断層系や、断層崖あるいは浸食崖の存在が認められた。その周辺では、ガス―流体システムの存在を示唆するガスチムニー、音響ブランキング、強反射面や音響的濁度が見られ、その直上で多数のプルームが観測された。TGHSZ以浅の極浅層地下構造は、明確に観測することが困難であった。
本海域周辺の地質背景も考慮すると、本調査地域でのガス湧出は、その地下に存在すると考えられるNNE-SSW断層系との関連を示唆している。ガス供給源は、この地域の代表的な石油・天然ガスの貯留層である平瀬層群からの炭化水素ガスである可能性が考えられる。本調査海域のガスシープの分布は、本調査地域と新潟沿岸地域との間の大陸棚上にさらに多くのガスシープが存在する可能性を示唆する。