日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD42] 将来の衛星地球観測

2022年5月24日(火) 09:00 〜 10:30 104 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:本多 嘉明(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、コンビーナ:高薮 縁(東京大学 大気海洋研究所)、コンビーナ:Sobue Shinichi(Japan Aerospace Exploration Agency)、コンビーナ:小原 慧一(宇宙航空研究開発機構)、座長:本多 嘉明(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)

10:00 〜 10:15

[MSD42-04] アジア静止軌道からのGHGs/SLCFs測定と排出量評価

*笠井 康子1金谷 有剛2谷本 浩志3齋藤 尚子4江口 菜穂5佐藤 知紘1、藤縄 環3Patra Prabir3関谷 高志2滝川 雅之2、日本大気化学会 大気環境衛星検討委員会6 (1.(国)情報通信研究機構 テラヘルツ研究センター、2.国立研究開発法人海洋研究開発機構地球環境部門 、3.国立環境研究所 、4.千葉大学 環境リモートセンシング研究センター 、5.九州大学、6.大気化学会)

キーワード:アジア大気汚染、地球温暖化、大気組成、削減政策合理化、グリーンイノベーション、グリーンリカバリー

地球温暖化と全球大気汚染は喫緊に解決が求められる社会課題である。本提案では、大気中のCO2等の長寿命温室効果気体(GHGs)と、大気汚染物質である短寿命気候強制因子(SLCFs)の濃度分布・推移をリアルタイムで客観的に明らかにし、大気化学輸送モデルやデータ同化を活用して巨大発生源や地域の「排出量」を即時評価し、効果的な改善を導く。削減政策の効果を実濃度の変化から評価し、政策の最適化を繰り返すことで、社会的コモンとしての科学的知見を提供し削減取組を牽引する。アジアの個別発生源から地域規模の濃度拡がりを連続的にとらえるために、静止軌道からの観測で時間密度を高めること、またハイパースペクトル計測では比類のないキロメートル級分解能を達成することを目指す。パリ協定・グローバルストックテイクの1.5度目標達成に加え、大気汚染については、420万人/年に上る世界の早期死亡者数の削減に、ホットスポットともいえるアジア地域の観測から取り組む。COVID-19の世界的蔓延・経済活動低下の評価にNO2衛星データが用いられたことに象徴されるように、両課題に排出削減から取り組む際のシナジー効果に関しても評価し課題解決に取り込む。IPCC AR7サイクルで始まるSLCFインベントリ、SDGs等にも貢献する。(本件は第2回試行の改訂提案である)