日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD42] 将来の衛星地球観測

2022年6月1日(水) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (36) (Ch.36)

コンビーナ:本多 嘉明(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、コンビーナ:高薮 縁(東京大学 大気海洋研究所)、コンビーナ:Sobue Shinichi(Japan Aerospace Exploration Agency)、コンビーナ:小原 慧一(宇宙航空研究開発機構)、座長:高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)

11:00 〜 13:00

[MSD42-P02] 次世代降水観測レーダの技術実証

*高橋 暢宏1中村 健治2牛尾 知雄3、上土井 大助4、古川 欣司4、山本 晃輔4 (1.名古屋大学 宇宙地球環境研究所、2.獨協大学、3.大阪大学、4.宇宙航空研究開発機構)

キーワード:降水観測、ドップラーレーダ、展開アンテナ

本ミッション提案は、将来の静止軌道からの降水観測ドップラーレーダ観測を目指し、その基礎技術開発と実証を行うものである。これまで、展開型アンテナ技術の検討を行い、それに基づきアンテナ展開機構のプロトタイプを制作し地上試験において性能を確認した。アンテナ展開技術の技術実証として、HTV-X1搭載の展開型軽量平面アンテナ軌道上実証(DELIGHT: DEployable LIGHtweight planar antenna Technology demonstration、2022年度打上げ予定)が計画されている。

技術概要
 実証する技術は大型平面アンテナの構築技術であり、これは、平面アンテナの大型化を可能にし、静止軌道からのレーダによる降水観測に必要な30m×30m 以上の大型平面アンテナの実現を目指すものである。

技術的新規性/優位性 降水ドップラー速度の計測技術について  EarthCARE 衛星搭載雲レーダにより、雲粒子のドップラ速度計測技術は確立される見込みであり、また、2027年打ち上げを目指したKu帯ドップラ降水レーダにおいて降水のドップラ速度計測技術構築が図られている。これらの技術が静止軌道からの大口径アンテナによるドップラ速度計測においてもアドバンテージを持つ。 大型平面アンテナの構築技術について  衛星搭載用合成開口レーダを一次元展開により構築する技術は確立しているが、30m 級大型平面アンテナを二次元展開により構築する技術は未だ確立していない。また、太陽電池パドルを二次元展開により構築する技術は確立しているが、平面アンテナは太陽電池パドルよりも面精度や剛性の要求が厳しいため、太陽電池パドルの二次元展開技術では30m 級大型平面アンテナの構築に対応できない。そのため、DELIGHTにおける技術実証が重要となる。
 
開発進捗
 当初の計画では、ドップラーレーダを搭載した展開型アンテナをHTV-Xに搭載するとして、特に展開機構の実現性の検討を行ってきた(-2018年度)。
 2019年度からHTV-Xへの搭載を想定した展開型平面アンテナの予備設計を実施するとともに、HTV-X 側とのインタフェース調整、パネル展開挙動解析、部分試作・試験等を実施した。DELIGHTは、このアンテナをHTV-X1号機へ搭載するのものであり、2022年度の打ち上げに向けて、機器開発を進めている。