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[MTT44-P02] 局所測定によるマントル捕獲岩中のCO2流体包有物の希ガス同位体比-背弧域大陸下マントルの希ガス同位体不均質の起源の直接的制約
キーワード:希ガス同位体比、レーザーアブレーション、流体包有物
鉱物や岩石から抽出した希ガス同位体比の測定は、試料から抽出された成分の起源を調べるために有効である。中国東北部のロンガン火山群は,沈み込んだスラブに関連する成分の影響が予想される.同火山で噴出した5つのマントルゼノリスは、1-2gのカンラン石粒を粉砕した結果、6.45Raから0.14Raを示した。破砕法によって比較的高い3He/4He(Ra)を示した試料は、顕微鏡観察でCO2流体包有物(ネガティブクリスタルタイプ)が多かった.そのため5つのゼノリスサンプルの値の大きなばらつきの原因は,それぞれ異なる値を示したサンプル鉱物粒内のCO2流体包有物とメルト包有物の混合比の違いにあるという可能性が浮上した。この予想を評価するため、局所レーザーアブレーションによってCO2流体包有物の希ガス同位体比を測定した。研磨したカンラン石表面に紫外線レーザー(UP-213、New Wave Research, Inc.)で直径約100-200ミクロンの孔を開けてCO2流体包有物のガス抽出を行った。
その結果、CO2流体包有物の3He/4He(Ra)は、同じゼノリスのカンラン石1〜2gを粉砕法で抽出したものより高い値を示すことが判明した。これは5つのマントルゼノリスの希ガス同位体比がオリビンに含まれる包有物の分布に依存する可能性が高いことを示唆している。また鉱物中のメルトインクルージョンが, 沈み込んだスラブ物質に由来する低い3He/4Heのホストになっている可能性が示された.
その結果、CO2流体包有物の3He/4He(Ra)は、同じゼノリスのカンラン石1〜2gを粉砕法で抽出したものより高い値を示すことが判明した。これは5つのマントルゼノリスの希ガス同位体比がオリビンに含まれる包有物の分布に依存する可能性が高いことを示唆している。また鉱物中のメルトインクルージョンが, 沈み込んだスラブ物質に由来する低い3He/4Heのホストになっている可能性が示された.