日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT46] Introducing metaverse to agriculture. Are we ready?

2022年5月26日(木) 10:45 〜 12:15 202 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:二宮 正士(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科)、コンビーナ:高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、座長:成瀬 延康(滋賀医科大学 医学部医学科)

10:45 〜 11:00

[MTT46-01] ハイパースペクトル測定に基づく水稲の全生育期間の分光反射率データライブラリーの構築

*砂崎 浩二1 (1.北海道大学大学院理学院宇宙理学専攻)

キーワード:水稲、ハイパースペクトル測定、分光反射率データライブラリー

2021年6月から9月までの稲栽培期間において、北海道大雪土地改良区の農家圃場での水稲全生育期間の詳細なハイパースペクトル反射率データの収集を行った。 稲の生育期間のハイパースペクトル反射率については多くの計測データが報告されているが、その計測は稲群落から経時的に採取した葉や穂の部位別の反射スペクトルであったり、生育期間中の一時期の反射スペクトルの計測データである場合が多い。 また、水稲群落の分光反射データの収集においては一般的に土壌や田面水の反射スペクトルの影響を強く受ける。特に、稲の生育初期段階においては、繁茂密度が低いために地表面が同時に観測されることから水稲群落の分光反射データの収集は困難とさせていた。 本研究では水稲群落の計測において土壌や圃場水面の影響を回避するために、水平角度から-5度~-10度の勾配での計測を行い、生育初期段階のハイパースペクトル反射率の計測が可能なことを確認した。 同計測方法を用いて、水稲群落の全生育期間における詳細な分光反射率ライブラリーを構築した。 正規化処理した分光反射率ライブラリーにおいて生育段階の特徴的なスペクトルの変化をより具体的に表現することを可能とした。 本研究で構築した水稲群落の全生育期間の分光反射率ライブラリーから特徴的な波長を選定することで稲の出穂期、生育状況、病害虫被害、収穫適期の推定などの高精度リモートセンシング計測への利用に期待できる。