日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ47] 海底マンガン鉱床の生成環境と探査・開発

2022年5月29日(日) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (30) (Ch.30)

コンビーナ:臼井 朗(高知大学海洋コア総合研究センター)、コンビーナ:鈴木 勝彦(国立研究開発法人海洋研究開発機構・海底資源センター)、コンビーナ:高橋 嘉夫(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、コンビーナ:伊藤 孝(茨城大学教育学部)、座長:伊藤 孝(茨城大学教育学部)、鈴木 勝彦(国立研究開発法人海洋研究開発機構・海底資源センター)、高橋 嘉夫(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、臼井 朗(高知大学海洋コア総合研究センター)

11:00 〜 13:00

[MZZ47-P06] 海底沈着実験による元素濃集のメカニズム解明

*臼井 朗1山岡 香子2柏原 輝彦3日野 ひかり4 (1.高知大学海洋コア総合研究センター、2.産業技術総合研究所、3.海洋研究開発機構、4.高知大学応用自然科学専攻)

キーワード:マンガンクラスト、マンガン団塊、沈着実験、レアメタル

2001-2016年の間に,海底沈着実験によって,材質の異なる人造のプレートを海底面に設置し、最大15年間放置し、回収した。この分析結果にもとづいて,OMZでも酸化物が懸濁物として安定に存在しそれが集積することにより,深海底のマンガンクラストや団塊生成の素過程である,という新モデルを提案している (Usui et al., 2017)。過年度のSIPプロジェクトなどで認められている様々なスケールでの海底マンガン鉱床の多様性は,このモデルに合致している。同時に,この沈着実験では,メンブレンフィルターに密封した,buserite微結晶の懸濁物を海中に放置した。海水と反応した懸濁物を高感度の化学分析や鉱物分析に基づいて,マンガン酸化物による,特定の溶存金属元素の濃縮メカニズムを明らかにする。これらの微粒子を海水中での初生沈殿物(hydrogenetic)と見なして、組成、構造、結晶性、成長速度を把握する。金属の濃縮現象を現場で観察、分析する実験は、過去に例が無い。合成物と海水との反応の結果を明らかにすることによって、海水から特定の金属元素が濃集する仕組み、酸化物の集積によるマンガンクラストや団塊の成長メカニズムなども理解することが期待される。