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[MZZ48-07] アンサンブルカルマンフィルタを用いたデータ同化による地中熱利用システムにおける土壌有効熱伝導率の推定
キーワード:地中熱、土壌有効熱伝導率、データ同化、アンサンブルカルマンフィルタ、逆解析
地球温暖化への対策から持続可能な開発が求められており、これに対し再生可能エネルギー熱である地中熱利用が注目されている。地中熱利用システムの性能を決定する重要なパラメータとして土壌有効熱伝導率がある。土壌有効熱伝導率は通常熱応答試験と呼ばれる原位置試験によって解析・推定されるが、これを行うためには実際に地中熱交換器を埋設しなければならず、さらに試験は数日間かけて実施される。この時間的あるいは費用的な試験コストの高さから、小規模な地中熱利用システムの導入では、熱応答試験は実施されないことも多い。そのような場所では地質情報からの推定値や、平均的な参考値が設計・制御に用いられる。またこれまでに、地質構造や既に値が得られている地点との空間的な相関などから推定する手法などが研究されている。
本研究では、アンサンブルカルマンフィルタを用いたデータ同化手法によって、地中熱利用システムの実際の運転データから土壌有効熱伝導率を事後的に推定する手法を提案した。地中熱交換器で入口温度を観測値として地中熱交換器数値シミュレーションモデルに同化することによってモデルパラメータである土壌有効熱伝導率が修正され、同じ地点での熱応答試験により推定された値をよく再現する結果を示した。またこれにより地中熱交換器内部循環流体温度の予測精度が向上されることを確認した。この結果は、修正された土壌有効熱伝導率を用いて以後の地中熱利用システムの最適制御に寄与するほか、土壌有効熱伝導率の原位置推定データが増加するため、地中熱ポテンシャルマップなどにおける土壌有効熱伝導率の推定精度向上が期待できる。
本研究では、アンサンブルカルマンフィルタを用いたデータ同化手法によって、地中熱利用システムの実際の運転データから土壌有効熱伝導率を事後的に推定する手法を提案した。地中熱交換器で入口温度を観測値として地中熱交換器数値シミュレーションモデルに同化することによってモデルパラメータである土壌有効熱伝導率が修正され、同じ地点での熱応答試験により推定された値をよく再現する結果を示した。またこれにより地中熱交換器内部循環流体温度の予測精度が向上されることを確認した。この結果は、修正された土壌有効熱伝導率を用いて以後の地中熱利用システムの最適制御に寄与するほか、土壌有効熱伝導率の原位置推定データが増加するため、地中熱ポテンシャルマップなどにおける土壌有効熱伝導率の推定精度向上が期待できる。