日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[O-03] 自然災害と人々-防災への科学者の役割

2022年5月22日(日) 09:00 〜 10:30 303 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:和田 章(東京工業大学)、コンビーナ:高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、久利 美和(気象庁)、座長:和田 章(東京工業大学)、久利 美和(気象庁)、高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)

09:40 〜 10:05

[O03-02] 富士山における火山防災教育:山梨県の実践と課題

★招待講演

*吉本 充宏1久保 智弘1藤井 敏嗣1 (1.山梨県富士山科学研究所)

キーワード:火山災害、減災、防災教育、富士山

火山噴火時に災害を軽減するためには,的確に避難することが重要である.逃げ遅れは生命の危機となり,過剰な避難は地域経済を破壊する可能性がある.一方で,多様な火山現象とそれらの影響範囲や到達するタイミングが様々であることが,避難を難しくしている.さらに,避難に重要なハザードマップも現象ごとに用意されている場合も多く,ハザードマップの活用にもかなりの知識が必要である.
そのため,山梨県では,一般住民への普及啓発だけでなく,様々な形での教育機関における防災教育を行ってきた.例えば,教員向けには毎年教員研修会を開催し,火山の知識,富士山の噴火の履歴,教育現場で使用可能なアナログ実験の紹介などを提供してきた.また,教育現場には“ふじさん自然教室”という研究所の敷地を活用して富士山全体を学ぶ教室と“富士山学習支援”という富士山の成り立ちや地域学習を支援する出前授業で支援してきた.さらに,近年ではメディアと協力して,子供向け番組を作成したり,それらを活用したイベントを開催してきた.また,学校現場ですぐに活用できる火山実験キットの開発や防災教育支援システムの開発も行っている.
一方で課題も多い.教育機関からの支援の要請は多いが,これらの支援は富士山科学研究所のスタッフだけで行っており,人材の確保が急務である.
本講演では山梨県が実践してきた火山に関わる防災教育とその課題を紹介する.