日本地球惑星科学連合2022年大会

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[O-08] 高校生ポスター発表O08-P01~P20

2022年5月29日(日) 13:45 〜 15:15 オンラインポスターZoom会場 (1) (Ch.01)

13:45 〜 15:15

[O08-P01] 桜島の降灰量と風向の季節変動に関する研究

*松尾 侑佳1、*石崎 正博1、*柏木 結月1、古川 小春1、田島 一樹1、鮫島 吉之介1、水野 遙斗1 (1.鹿児島県立国分高等学校)


キーワード:桜島、火山灰、エクマン螺旋、季節風

鹿児島では、桜島の噴火に伴う降灰予報をチェックするのが日課である。桜島が噴火すると、放出された火山灰は風によって、風下に流下し堆積すると考えられる。実際に火山灰は風下に流下しているのか興味を持った。桜島の灰の流向と上空1500mの平均風との関係性を調べたところ,灰の流向の向きに対して、上空の平均風が約45度右にずれていた。これは、エクマンの吹送流と同じ傾向であることが分かった。そこで、さらに条件を増やしてもこのようなずれがみられるか調べることにした。また、異常気象により風向きの傾向に変化があるのか調べることにした。
地球自転の転向力(コリオリの力)と海水の下層を引きずる摩擦力が働いて起こる運動をエクマンの吹送流という。北半球では一定の風向に対して表面海流は45度右(南半球では45度左)にずれる。
高度に1000mの差があるが、1月~5月、9月頃~12月と6月~8月どちらも灰の流向と桜島上空の風向きとの間にずれが見られた。高度2600m地点ではどちらの期間も約45度右にずれていることが確認できた。条件を増やしても、灰の流向と上空の風向きの間にずれが見られることから、上空でも地球の自転が影響している可能性がある。1月~5月、9月頃~12月は南東方向に、6月~8月は東の方向に灰が流下している。また、どちらの期間も灰の流向と上空の風向きとの間にずれがみられた。高度2600mでは約45度右にずれていることが確認できた。今後は更に条件を増やし、噴煙高度の違いで上空の風と灰の流向に規則的なずれ(エクマン螺旋)があることも分かった。フーコーの振り子の実験装置を使用して、実際にコリオリの力が働いていることも室内実験で確かめることができた。今後は気象台のデータから、異常気象を示す風向きの変化がないかを調べたい。また鹿児島県庁が採取している桜島の火山灰を入手し、鉱物組成・粒径などを調べたい。また、桜島が噴火した直後の灰を自分達で実際に採取して,火山灰の粒径・鉱物組成など分析したい。