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[O08-P19] 地球照の観測による地球の観測
キーワード:地球照、スペクトル、吸収線、グリーンエッジ、レッドエッジ、ブルーシフト
地球に反射した太陽光が月を照らすことで、月の本来欠けて見える部分が光って見える現象を地球照という。この現象を分光観測することで、月を鏡のように活用し、地球から地球を俯瞰するように観測できるのではないかと考えた。しかし、地球照の光のスペクトルは太陽光のスペクトルの影響を強く受けてしまうと考えられるため、地球照の光のスペクトルを太陽光のスペクトルで除算することで、太陽光が地球に反射した時の変化(地球のスペクトル)を読み取ることができると考えた。その結果、短波長側の光が強いというグラフの概形と、太陽光のスペクトルにおいて特徴的であるフランホーファー線が現れなかったことから、地球照の光のスペクトルから地球のスペクトルを読み取ることができたと考える。またグラフには、レッドエッジやグリーンエッジ、ブルーシフトといった植物特有の現象や酸素の吸収線がみられた。レッドエッジとグリーンエッジの上昇度と撮影時の地球の反射面の比較から、地上の植物の量との相関関係が、ブルーシフトの強度から、地球温暖化による温度上昇などによる植物へのストレスの量を比較することができることが分かった。また今回の分光の範囲が可視光線だけだったため酸素の吸収線しか見られなかったが、例えば赤外線に範囲を広げることができれば、メタンや二酸化炭素といった温室効果ガスの吸収線を見ることができる。これらの結果から、同じ地球の反射面の地球のスペクトルを比較することで、地球の環境状態の変化を観測することができるのではないかと考える。