13:45 〜 15:15
[O08-P21] 柱状節理形態の統計的観測とその成因に関する研究
キーワード:柱状節理、揮発性成分、火山岩
我々は、柱状節理の統計的観測とその成因に関する研究を行った。柱状節理とは、溶岩が凝固するときわずかに体積が減少し、冷え固まる過程で規則的な割れ目ができる地形である。伊豆半島にはこのような地形が多く存在している。これまでの先行研究で柱状節理には、六角形が多いものの様々な角数を持っていることがわかっている。また、伊豆半島にある5地点の柱状節理の角数分布調査が行われ、具体的な分布割合が明らかになっている。我々はその角数には一定の法則があるのではないかと考えた。そこで、今年度の研究では様々な視点からアプローチし、その法則を見つけ出すことにした。
まず、岩石の構成成分に注目した。そのなかでも特に主成分である二酸化ケイ素(SiO₂)に着目した。岩石は大部分が酸化物からできている。その中でも特にケイ素の酸化物である、二酸化ケイ素は、全体の半分ほどを占める。そのため岩石の成分を調査するには二酸化ケイ素の割合に着目する必要があると考えた。地質調査総合センター地質図Naviを使用し、各調査地点にある岩石の名前を調査し、二酸化ケイ素の含有割合も同時に調べた。調査した結果、沖ノ島、大淀小淀、爪木崎、富戸海岸は輝石安山岩、浮島海岸は石英安山岩であった。なお、石英安山岩は輝石安山岩よりも二酸化ケイ素の割合が高い。
横軸を岩石の角数、縦軸を個体数割合としてグラフで示したところ、二酸化ケイ素の割合が高いほど柱状節理の角数は大きくなるという仮説が立った。調査地点を沿岸部だけでなく内陸部に広げ、内陸部の伊豆市にある旭滝、伊豆の国市にある白鳥山の柱状節理についても調べた。旭滝は輝石玄武岩、白鳥山は輝石安山岩であった。輝石安山岩は輝石玄武岩よりも二酸化ケイ素の割合が高い。我々の仮説が正しければ旭滝は輝石玄武岩であるためピークは角数4の場所にでき、白鳥山は輝石安山岩であるため、ピークは角数6の場所にできるはずである。結果は、旭滝は六角形が、白鳥山は四角形が多かった。白鳥山だけ仮説と異なる結果になったことに疑問を持ち、我々は次に揮発性成分に着目した。
揮発性成分とはマグマに含まれる水や二酸化炭素、二酸化硫黄などである。それらは冷え固まった際に抜けるが、微量は岩石中に残る。岩石を融解させ、その残った揮発性成分を抜くことで、前後の質量差から割合を求めることができる。
白鳥山、爪木崎、旭滝、大淀小淀の4つの地点の岩石を採集し分析した。調査地点の岩石を80g程度採集し、その後アルミナるつぼに入れ、電気炉を用いて一度融解させる。温度を1500度に保ち、48時間加熱した。これにより揮発成分を完全に取り除き、融解前と融解後の質量差から岩石に含まれている揮発性成分の含有割合を求めた。
結果は、白鳥山は0.934%、旭滝は0.391%、爪木崎は3.675%、大淀小淀は4.094%となった。沿岸部の2地点は揮発性成分の割合が内陸部の2地点よりも高かったため、相関があると考えた。正確性を高めるためにもう一度実験を行ったが、るつぼが割れてしまうなどの失敗があり、計測ができなかった。実験方法を改善し、これからデータを増やしていく予定だ。
次に、内陸部と沿岸部の角数の違いに着目した。内陸部は、2地点とも角数4の場所でピークを示している。沿岸部は海水の影響を受けるため、内陸部よりもマグマの冷却速度が速くなるのではないかと考えた。このように考えると、沿岸部と内陸部でのピークの違いに関係性を見出せる。また、沿岸部に着目するとピークがひとつに定まらず、2つできていた。そのため、冷却速度だけでなく、二酸化ケイ素の割合とマグマの融点との関係などほかの条件も影響している可能性がある。二酸化ケイ素の割合は岩石の融点にも影響を与えているので、今後の実験でその他の条件についても実験を行う必要がある。
まず、岩石の構成成分に注目した。そのなかでも特に主成分である二酸化ケイ素(SiO₂)に着目した。岩石は大部分が酸化物からできている。その中でも特にケイ素の酸化物である、二酸化ケイ素は、全体の半分ほどを占める。そのため岩石の成分を調査するには二酸化ケイ素の割合に着目する必要があると考えた。地質調査総合センター地質図Naviを使用し、各調査地点にある岩石の名前を調査し、二酸化ケイ素の含有割合も同時に調べた。調査した結果、沖ノ島、大淀小淀、爪木崎、富戸海岸は輝石安山岩、浮島海岸は石英安山岩であった。なお、石英安山岩は輝石安山岩よりも二酸化ケイ素の割合が高い。
横軸を岩石の角数、縦軸を個体数割合としてグラフで示したところ、二酸化ケイ素の割合が高いほど柱状節理の角数は大きくなるという仮説が立った。調査地点を沿岸部だけでなく内陸部に広げ、内陸部の伊豆市にある旭滝、伊豆の国市にある白鳥山の柱状節理についても調べた。旭滝は輝石玄武岩、白鳥山は輝石安山岩であった。輝石安山岩は輝石玄武岩よりも二酸化ケイ素の割合が高い。我々の仮説が正しければ旭滝は輝石玄武岩であるためピークは角数4の場所にでき、白鳥山は輝石安山岩であるため、ピークは角数6の場所にできるはずである。結果は、旭滝は六角形が、白鳥山は四角形が多かった。白鳥山だけ仮説と異なる結果になったことに疑問を持ち、我々は次に揮発性成分に着目した。
揮発性成分とはマグマに含まれる水や二酸化炭素、二酸化硫黄などである。それらは冷え固まった際に抜けるが、微量は岩石中に残る。岩石を融解させ、その残った揮発性成分を抜くことで、前後の質量差から割合を求めることができる。
白鳥山、爪木崎、旭滝、大淀小淀の4つの地点の岩石を採集し分析した。調査地点の岩石を80g程度採集し、その後アルミナるつぼに入れ、電気炉を用いて一度融解させる。温度を1500度に保ち、48時間加熱した。これにより揮発成分を完全に取り除き、融解前と融解後の質量差から岩石に含まれている揮発性成分の含有割合を求めた。
結果は、白鳥山は0.934%、旭滝は0.391%、爪木崎は3.675%、大淀小淀は4.094%となった。沿岸部の2地点は揮発性成分の割合が内陸部の2地点よりも高かったため、相関があると考えた。正確性を高めるためにもう一度実験を行ったが、るつぼが割れてしまうなどの失敗があり、計測ができなかった。実験方法を改善し、これからデータを増やしていく予定だ。
次に、内陸部と沿岸部の角数の違いに着目した。内陸部は、2地点とも角数4の場所でピークを示している。沿岸部は海水の影響を受けるため、内陸部よりもマグマの冷却速度が速くなるのではないかと考えた。このように考えると、沿岸部と内陸部でのピークの違いに関係性を見出せる。また、沿岸部に着目するとピークがひとつに定まらず、2つできていた。そのため、冷却速度だけでなく、二酸化ケイ素の割合とマグマの融点との関係などほかの条件も影響している可能性がある。二酸化ケイ素の割合は岩石の融点にも影響を与えているので、今後の実験でその他の条件についても実験を行う必要がある。