13:45 〜 15:15
[O08-P22] 地震への備えを考えることを目的とした栄東中学・高等学校の全生徒教職員対象の「地震アンケート調査」
キーワード:地震アンケート調査、津波に対する知識を問う質問、日頃の備え
地震に対する知識や日々の意識の現状を知り、理想的な備えや心構え、地震発生時の行動を考えるためにアンケート調査を行った。高校一年・二年生対象の選択者で構成される「総合的な探究の時間」(講座名:地震・火山を学び伝える)の一環として企画し、「地震アンケート調査」として栄東中学・高等学校の全校生徒及び教職員を対象に実施した。アンケートは、全15問から構成される地震の知識、防災対策、過去の地震体験(東日本大震災)、過去の地震(歴史地震)を問う内容(選択肢式と自由記述式)で構成した。2021年12月21日~2022年2月10日を回答期間とし、Googleクラスルームのフォームを利用した。その結果、1023人から回答を得ることができた。
津波に対する知識を問う質問「津波の高さが何cm以上の場合、その中で歩くことが困難になると思うか」には、気象庁が津波注意報を発表する基準である高さ20cmの前後の数値(15cm以上30cm未満の範囲の数値)を回答できた人は、全体の16%にとどまった。一方で、30cm以上の数値を回答した人が62%を占めた。そのうち、100cm以上の数値を回答した人も全体の8%(90人)いて、津波注意報が発令され、「予想される津波の高さは1m」と報道された場合に、避難を開始しない可能性が危惧される。
「非常食以外に何か備えをしているか」、また「備えている場合は具体的に何か」を自由記述してもらう質問では、非常食の備蓄以外の地震対策が有る人のうち41%の人が、まず机に隠れるなどの身を守る行動をすると回答している。これは日々の学校での避難訓練や実際に地震が起きた時の先生の指示などの影響を受けていると考えられ、学校での成果も現れている。
「自宅での地震時の行動について一緒に暮らしている人と話し合いをしているか」という質問では、「している」と回答した人が全体の42%を占めた。一方で、「登下校の自身の行動について一緒に暮らしている人と話し合いしているか」という質問に対しては、「している」と回答した人の割合が30%にすぎなかった。これは地震の発生は日常化していて話題に上がる機会が多い一方で、登下校中の交通機関の麻痺までなかなか現実感を持てないためだと推測できる。
そこで地震に対する姿勢を2点考えた。1つ目は、地震が起きたとき、自分一人でいるときでも行動できるということだ。そのためにまずは、家族が用意している備蓄品等の場所や使い方を知ることから始めるのが良い。また登下校中に地震が起きて公共交通機関が止まってしまった場合どう動くかを家族などで具体的に決める必要がある。なぜなら、このときは一人でいることが多く、場所も様々であるため、どうしたら良いか分からなくなり最も混乱する場面だからである。集まる場所、身につける必要があるものは、決めといておいたほうが良い。
2つ目は、日常と防災対策を結びつけ、意識しなくても防災対策ができている状態が理想であると考えた。最近は地震に慣れてしまい地震が起きただけでは皆驚かなくなっており、公共交通機関や水道が止まってしまうほど大きな地震が起きたら、パニックになってしまうだろう。2011年東北地方太平洋沖地震が起きたのはもう11年前になり、今の小中高生は覚えていない又は経験していない人も多く、今後そのような人はより増えていく。そのため、首都直下型地震のことや、公共交通機関や水道が止まってしまう地震が起きるかもしれないことを知っていても、あまり具体的に想像できない人も増えてくると考えられる。そこで、地震による危険性を説明するだけでなく、防災対策を無意識に日常生活に組み込んでしまうほうがより効果的である。例えば、普段から半年、1年、 3年と行った賞味期限が長い食べ物を積極的に買い、日常食として食べていく。現在、防災期間等でそのような機会はあるが、それを防災期間ではなく日常から行うのである。
津波に対する知識を問う質問「津波の高さが何cm以上の場合、その中で歩くことが困難になると思うか」には、気象庁が津波注意報を発表する基準である高さ20cmの前後の数値(15cm以上30cm未満の範囲の数値)を回答できた人は、全体の16%にとどまった。一方で、30cm以上の数値を回答した人が62%を占めた。そのうち、100cm以上の数値を回答した人も全体の8%(90人)いて、津波注意報が発令され、「予想される津波の高さは1m」と報道された場合に、避難を開始しない可能性が危惧される。
「非常食以外に何か備えをしているか」、また「備えている場合は具体的に何か」を自由記述してもらう質問では、非常食の備蓄以外の地震対策が有る人のうち41%の人が、まず机に隠れるなどの身を守る行動をすると回答している。これは日々の学校での避難訓練や実際に地震が起きた時の先生の指示などの影響を受けていると考えられ、学校での成果も現れている。
「自宅での地震時の行動について一緒に暮らしている人と話し合いをしているか」という質問では、「している」と回答した人が全体の42%を占めた。一方で、「登下校の自身の行動について一緒に暮らしている人と話し合いしているか」という質問に対しては、「している」と回答した人の割合が30%にすぎなかった。これは地震の発生は日常化していて話題に上がる機会が多い一方で、登下校中の交通機関の麻痺までなかなか現実感を持てないためだと推測できる。
そこで地震に対する姿勢を2点考えた。1つ目は、地震が起きたとき、自分一人でいるときでも行動できるということだ。そのためにまずは、家族が用意している備蓄品等の場所や使い方を知ることから始めるのが良い。また登下校中に地震が起きて公共交通機関が止まってしまった場合どう動くかを家族などで具体的に決める必要がある。なぜなら、このときは一人でいることが多く、場所も様々であるため、どうしたら良いか分からなくなり最も混乱する場面だからである。集まる場所、身につける必要があるものは、決めといておいたほうが良い。
2つ目は、日常と防災対策を結びつけ、意識しなくても防災対策ができている状態が理想であると考えた。最近は地震に慣れてしまい地震が起きただけでは皆驚かなくなっており、公共交通機関や水道が止まってしまうほど大きな地震が起きたら、パニックになってしまうだろう。2011年東北地方太平洋沖地震が起きたのはもう11年前になり、今の小中高生は覚えていない又は経験していない人も多く、今後そのような人はより増えていく。そのため、首都直下型地震のことや、公共交通機関や水道が止まってしまう地震が起きるかもしれないことを知っていても、あまり具体的に想像できない人も増えてくると考えられる。そこで、地震による危険性を説明するだけでなく、防災対策を無意識に日常生活に組み込んでしまうほうがより効果的である。例えば、普段から半年、1年、 3年と行った賞味期限が長い食べ物を積極的に買い、日常食として食べていく。現在、防災期間等でそのような機会はあるが、それを防災期間ではなく日常から行うのである。