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[O08-P30] 耐震マットの性能評価
キーワード:地震、厚さ、重心
防災グッズの1つに耐震マットがある(表1)。本研究を通して、不明瞭であるその性能を明らかにしようと考えた。実験1では、マットを接着した供試体に台車を衝突させた。マットの値段と性能に明確な関係を明らかにするべく、値段の異なる3種類のマットで台車の勢いも変えながら3回ずつ試行を行い、すべての試行において転倒の有無を調べた(図1)。実験2では小型振盪機の上にマットを接着した状態の供試体を載せ、供試体が転倒するまで振盪機の回転数を上げつづけた。これを5種類のマットで20回ずつ行い、得られた結果をもとに性能を比較した(図2)。結果から、マットの値段と性能には明確な相関がなく、薄いものを用いると供試体は振動によく耐え、厚いものを用いた際は倒れやすくなることがわかった(表2・3)。マットの厚さによって供試体の倒れやすさに影響が出るのは重心の位置が変わることに起因すると結論づけた。今後の展望は4つあり、1つ目はエラストマー樹脂は今回の実験には適さなかったのでどの場面で効果を発揮するのかを知ること。2つ目はある一つのマットが群を抜いて強い理由を明確化すること。3つ目は実際の地震を想定して、長時間の接着やより重たい供試体を用いての実験をすること。4つ目は素材の特性に関する効果発揮に必要な性能の解明をすることである。