日本地球惑星科学連合2022年大会

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[O-08] 高校生ポスター発表O08-P021~P40

2022年5月29日(日) 13:45 〜 15:15 オンラインポスターZoom会場 (2) (Ch.02)

13:45 〜 15:15

[O08-P31] ユニバーサルデザインと地質情報 -あらゆる人に地球のメッセージを伝えるために-

丁野 晃輔1、*山本 若菜1、*西本 朱那1 (1.高知県立室戸高等学校)


キーワード:ジオツーリズム、インタープリテーション、ユニバーサルデザイン

本研究は、高知県立室戸高等学校の正式カリキュラムである「ジオパーク学」と、同校福祉系列の授業を履修している生徒らとの共同プロジェクトである。「ジオパーク学」では、1) 室戸の大地形成のプロセス、2) 室戸の特徴的な地形、地質、自然環境を学び、そうした自然環境があるからこそ醸成されてきた地域独自の文化、暮らし、歴史、産業などについて地域内での聞き取り調査やフィールド研修を通して学習している。2021年度は「室戸のジオツーリズム」をテーマにした研究調査班が、本校の福祉系列授業履修生徒らと連携し、障害があっても楽しめるユニバーサルデザインのジオツアー開発を開始した。



室戸ユネスコ世界ジオパークでは、複数のガイドツアーを実施しているが、障害のある方に対応したものはない。本研究では特に、視覚障害を持つ方を対象にしたガイドツアーを開発した。ジオパーク学履修生とはそのツアーコースと説明を、福祉系列授業履修生徒はガイド実施中の介助を担当した。またガイド実施場所は、室戸ジオパークエリア内で最も観光客が多くガイド実施数も多い室戸岬とした。遊歩道が整備されていることから、危機管理の点からも適切だと判断した。



ユニバーサルガイドの目的は、地球のダイナミズムを視覚以外の感覚を最大限に活用し、感じてもらうことである。室戸岬の海岸線をガイドとともに歩き、石の感触、波打ち際の音、潮風、太陽の光の暖かさを感じてもらう工夫をコース内に設置した。室戸岬は主に砂岩と泥岩が観察でき、斑れい岩が見つかる場所もある。こうした石を実際に触ってもらいながら、それぞれの石の感触についてガイド参加者に感想を述べてもらい、そこから石のできるまでと地球の動きを組み合わせて、解説することで地球の動きと大地形成のプロセス、また自身の暮らしと地球のつながりについて感じられるようなガイド開発を目標とした。