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[PCG20-12] 星間カーボンダストの実験室での模擬合成と赤外スペクトル分析
キーワード:星間ダスト、炭素、赤外スペクトル
星間の炭素ダストとしてサッカーボール状のフラーレン(C60)がよく検討されている。一方、平面構造の炭素グラフェンからフラーレンが合成できることもよく知られており、星間でのグラフェンの存在が期待される。今回地上での模擬実験により炭素ダストの特定を検討した。恒星の爆発時には激しい光がダストに照射される。そこでバルクグラファイトにNdYAGレーザを照射して炭素クラスタを生成した。図(A)に測定した赤外スペクトル(IR)を示す。このIRに対応する候補分子を量子化学計算により検討した。その中で、炭素5員環一個と6員環6個からなる(C23)分子が近似的なIRを示した(B)。このグラフェンはレーザ照射により炭素欠陥が生じるとともに、バルクグラファイトから剥離されたと考えられる。さらに天文観測とも比較した。惑星状星雲のTc1とLin49で観測されたスペクトルを(C)に示す。分子(C23)の計算IRと良く合致している。惑星状星雲でよく観測される18.9ミクロンと17.4ミクロンのバンドも、この分子(C23)で再現できた。以上から炭素ダストとしてグラフェンも重要な成分と考えられる。