日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM11] Dynamics of the Inner Magnetospheric System

2022年5月25日(水) 13:45 〜 15:15 303 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:桂華 邦裕(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、コンビーナ:三好 由純(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、Blum Lauren W(University of Colorado Boulder)、コンビーナ:Shprits Yuri(Helmholtz Centre Potsdam GFZ German Research Centre for Geosciences)、座長:山本 和弘(東京大学理学研究科)、桂華 邦裕(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)


14:15 〜 14:30

[PEM11-14] プラズマ圏ヒス波による非熱的電子のピッチ角散乱の直接観測

*菅生 真1笠原 慧1三好 由純2桂華 邦裕1横田 勝一郎3堀 智昭2笠原 禎也4松田 昇也4篠原 育5松岡 彩子6 (1.東京大学、2.名古屋大学、3.大阪大学、4.金沢大学、5.宇宙航空研究開発機構/宇宙科学研究所、6.京都大学)


キーワード:プラズマ圏ヒス波、非熱的電子、ピッチ角拡散

ヒス波は数10-数100 keV電子の降りこみに寄与し、スロット領域の形成に重要な役割果たしていると考えられている。Van Allen Probesの観測ではスロット領域で高いL値ほど低エネルギーの電子消失が起こる様子が観測されており、このエネルギー依存の電子消失はヒス波の共鳴条件と整合的である。しかし、ヒス波による散乱と動径方向拡散を考慮したいくつかのモデルのlifetimeは長く、観測されているような輸送よりも速い消失を説明できないが、これはピッチ角拡散係数が小さすぎるためと思われる(Dαα<10-5 /s )。一方でピッチ角拡散の全球モデルによるとdaysideではヒス波によってDαα>10-4 /s の大きな拡散が起きることを示している。我々はERG搭載の高い角度分解能を持つ観測器MEP-eを用いたロスコーン角内の直接観測で、実際にプラズマ圏内でロスコーンが~10-100 keV電子で埋まることを発見した。また、いくつかのイベントでヒス波とロスコーン内の電子フラックスの強度が相関している様子を確認した。