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[PEM13-10] フィンランド・ニロラの630nm大気光イメージャによって観測された極域型の中規模伝搬性電離圏擾乱の低緯度側境界の統計解析
キーワード:中規模伝搬性電離圏擾乱、電離圏、極域
波長630nmの大気光撮像を通して波長100-1000kmスケールの電離圏のプラズマ密度の変動である中規模伝搬性電離圏擾乱(MSTID)は、波長630nmの大気光撮像を通して観測することができる。Shiokawa et al. (2012; 2013)とYadav et al.(2020)は、オーロラ帯の緯度に位置するノルウェーのTromsø(69.6°N, 19.2°E; 磁気緯度:66.7°N)で、オーロラの増光や地磁気変動に伴って動きが変化する極域型MSTIDの観測を報告している。Shiokawa et al. (2003)は、中緯度に位置する日本の信楽(34.8°N, 136.1°E; 磁気緯度:25.4°N) でMSTIDの観測を報告している。しかし、これまでにオーロラ帯で発生するMSTIDと中緯度で発生するMSTIDの発生確率などの明確な比較を行っていない。そこで今回は、両緯度帯の間に位置するフィンランドのNyrola(62.3°N,25.5°E;磁気緯度:59.4°N)で、PWINGプロジェクトによる大気光イメージャによってMSTIDを観測した。解析した期間は、2017年1月23日から2021年9月30日までの期間で12例のMSTIDを発見し、その大部分はオーロラ増光や地磁気変動に伴って動きが変化する極域型であることがわかった。そこで、上述した先行研究を含めた3つの観測地点において、MSTIDの発生確率・速度・波長・周期・波面の方向での比較を行った。その結果、Tromsøに比べて、NyrolaではMSTIDの発生確率が比較的低いことがわかった。講演では、これらの比較から、中緯度で発生するMSTIDと極域で発生するMSTIDの発生原因の違いについて考察を行う。
References:
Shiokawa et al. (2003), https://doi.org/10.1029/2002JA009491
Shiokawa et al. (2012), https://doi.org/10.1029/2012JA017928
Shiokawa et al. (2013), https://doi.org/10.1016/j.jastp.2013.03.024
Yadav et al. (2020), https://doi.org/10.1029/2019JA027598
References:
Shiokawa et al. (2003), https://doi.org/10.1029/2002JA009491
Shiokawa et al. (2012), https://doi.org/10.1029/2012JA017928
Shiokawa et al. (2013), https://doi.org/10.1016/j.jastp.2013.03.024
Yadav et al. (2020), https://doi.org/10.1029/2019JA027598