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[PEM16-10] 高階微分項を用いた陽的FDTD法の数値分散の低減
FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法は、Yee(1966)によって開発された、電磁界の時間発展を解く数値計算手法であり、空間と時間ともに2次精度の差分でMaxwell方程式を近似することで求められる。不連続波形で数値振動が発生するほか、連続波形でも傾きが大きいと数値振動や振幅の減衰が起こるといった欠点が存在する。これらの欠点を改善するため、Petropoulos(1994)は空間微分項の差分精度を4次精度としたFDTD(2,4)法を提案したが、数値不安定が生じないクーラン数Cの上限値が小さくなるという問題を抱えている。本研究では電界および磁界のそれぞれの時間発展方程式に高階空間微分項を付加することにより、新たな陽的時間発展式を導出した。その結果、従来の手法では数値不安定が生じ、計算することができなかった範囲においても計算が可能となることを確認した。また、従来の手法で計算が可能であった範囲においては、位相速度の誤差を抑えることができた。