日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM16] 宇宙プラズマ理論・シミュレーション

2022年5月30日(月) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (5) (Ch.05)

コンビーナ:天野 孝伸(東京大学 地球惑星科学専攻)、コンビーナ:三宅 洋平(神戸大学計算科学教育センター)、梅田 隆行(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、コンビーナ:中村 匡(福井県立大学)、座長:天野 孝伸(東京大学 地球惑星科学専攻)

11:00 〜 13:00

[PEM16-P04] オーロラ加速領域における電界構造の計算機シミュレーション

*池羽 良太1,2梅田 隆行1,2三好 由純1,2 (1.名古屋大学、2.宇宙地球環境研究所)

キーワード:オーロラ加速域

オーロラ領域における加速電場の存在は Alfven (1957) によって予言された。 1960 年代にはロケットによるオーロラ観測が行われ、加速電場により生成したと思われる高エネルギー粒子の降下を観測した (McIlwain 1960)。 Evans (1974) はモデル計算によりロケット観測結果を再現し加速電場の存在を裏付けた。オーロラ領域における電気二重層による加速電場は 1970 年代の科学衛星によりはじめて観測された (Mozer et al. 1977) 。また、FAST 衛星観測によってオーロラの電気二重層の詳細な多次元構造が明らかとなった (Ergun et al. 2001) 。 1次元 Vlasov-Poisson シミュレーションにより、沿磁力線電流が存在するプラズマ中に強い密度降下を与えることによって電気二重層が成長することを示された (Newman et al. 2001) 。しかし、計算資源や計算技術の不足により多次元的な運動論的シミュレーションはこれまで行われてこなかった。本研究では沿磁力線電流中の密度降下による電気二重層形成モデルの 2 次元 Particle-In-Cell シミュレーションを世界に先駆けて行った。その結果、 2次元空間において背景磁場が弱い場合において電気二重層が成長することを確認した。また、周波数がイオンプラズマ周波数、伝搬速度がイオン音速に近くで磁力線に対して斜めに伝搬する静電波動が電気二重層内に励起した。