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[PPS07-01] 系外惑星大気赤外分光観測衛星計画 Ariel への参画について
キーワード:系外惑星、惑星大気、スペースミッション
Kepler・TESS 等の系外惑星サーベイによって数千個もの惑星が太陽系外に発見され、惑星系の存在の普遍性が実証された。それだけでなく、半径・質量・軌道周期といった惑星の物理的特性に関する多様性が明らかとなり、惑星系の形成および進化に関する我々の理解に大きな影響をもたらした。系外惑星科学の次なるマイルストーン は、そのような物理的特性に加えて、化学的・物質科学的特性に関する情報を観測的に収集し、惑星および惑星系の多様性の実態をより正しく把握することである。2020年11月、系外惑星大気に関する赤外分光観測衛星計画である Atmospheric Remote-sensing Infrared Exoplanet Large-survey mission (Ariel) が欧州宇宙機関 (ESA) の M4 ミッションとして採択された。打ち上げは 2029 年を予定している。Ariel は、トランジットする系外惑星に対して赤外分光観測 (波長範囲は 1.1 μm - 7.8 μm) を行い、主に惑星大気の特性を明らかにすることを目的としている。初の系外惑星観測専用の分光観測宇宙望遠鏡であり、その専用性を活かし、約 1000 個もの系外惑星に対して大気特性を調査する計画である。得られた統計的情報は、系外惑星の化学的多様性および惑星の形成・進化を理解するために極めて有益な制約を与えると期待される。本講演では、Ariel ミッションの科学的意義および活動状況を紹介する。