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[PPS07-09] 水星の表面組成分布と大気分布の相関関係
キーワード:水星、BepiColomboミッション、みお探査機、外気圏
水星のような希薄な無衝突大気を持つ天体では、表面組成分布が大気の空間分布に反映されると期待されている。本研究では、MESSENGER探査機に搭載されたMASCSによる観測データを用いて、大気と表面のMg, Ca, Naの分布の間の相関関係について議論した。その結果、Mgでは先行研究(Merkel et al., 2018)同様強い大気-表面相関が存在することが分かった。一方で、Caではこの相関が弱いことが分かった。水星Ca大気のモンテカルロシミュレーションから、Caは太陽放射加速度がMgよりも大きいため大気-表面相関が小さくなったと考えられる。また、Naでは東経0°および180°付近の高温領域でのみ、季節変動とは異なる大気放出量の変動が見られた。これは、高温領域では水星表面に物理的に弱く吸着されたNa粒子のほとんどが熱脱離により失われ、化学的に強く結合したNa粒子の分布が大気中に反映されるためだと考えられる。以上の結果から、希薄大気保持天体において表面組成分布が大気分布に反映される元素の条件として、揮発性が低いことと太陽放射加速度が小さいことの2点が重要であることが分かる。