11:00 〜 13:00
[SCG43-P02] Viscoelastic behavior of solid-liquid two-phase under high pressure and high temperature
多くの沈み込み帯におけるスロースリップイベント(SSE)の検出事例の増加に伴い、SSEは沈み込み帯の普遍的な物理現象として注目されている(Obara and Kato, 2016)。沈み込み帯で発生する大地震とSSEはすべりの継続時間やすべり速度が大きく異なる。また、SSE発生域から大地震発生域にかけて、それらの断層すべりに関する時定数は断層の深度と共に変化する。一方、室内実験では物質科学的な観点から深度に伴う変化の原因について考察が進められている。室内実験で得られた知見は数値計算による断層すべりのシミュレーションにも陽な形で取り入れられており、中でも粘弾性に着目したパラメータースタディが近年増えてきている(e.g., Goswami and Barbot, 2018)。
本研究では、各種鉱物について粘弾性的性質を定量的に評価する。その上でSSEや大地震の発生様式、特に沈み込み帯の浅部付近で発生する断層すべりについての考察を深めることを目標とする。近年、沈み込み帯を仮定した固体(固相)及び流体(液相)の粘弾性的性質についての実験的研究事例がいくつか報告されているが、各種鉱物の粘弾性的性質、特に温度圧力依存性は未だ不明である。そこで本研究では各種鉱物の粘弾性的性質の基礎的な理解を深める為の高温高圧SAOS測定(Small amplitude oscillatory shear test)を行った。
測定にはDHR(Waters Corp., e.g., Owens et al., 2020)を用いた。サンプルとしては、粉粒体状のスメクタイト、イライト、石英、国際深海科学掘削計画で取得された掘削コア(Saffer et al., 2019)を用いた。測定の結果、歪波形と応力波形の位相差の振幅依存性と圧力依存性が明らかになった。さらに圧力依存性について鉱物による違いも明らかになった。また、液相の粘性率の低下によるせん断応力の低下も観測された。本発表で得られた歪波形と応力波形の位相差の振幅依存性と圧力依存性に関する結果は既往の摩擦実験で得られた結果と相補的であり、各種鉱物のスティッフネスを反映したものと考えられる。本発表ではJop et al. (2006)及びPerrin et al. (2019)によるパラメータの無次元化に準じて実験結果を整理してスケールフリーな議論を目指す。また、歪波形と応力波形の位相差の振幅依存性と圧力依存性を、G’(弾性項)とG’’(粘性項)と粘性率の圧力依存性(Muramoto et al., 2020)の関係性を用いて定式化し、歪波形の振幅と定式化に基づく圧力係数との関係を示す。
本研究では、各種鉱物について粘弾性的性質を定量的に評価する。その上でSSEや大地震の発生様式、特に沈み込み帯の浅部付近で発生する断層すべりについての考察を深めることを目標とする。近年、沈み込み帯を仮定した固体(固相)及び流体(液相)の粘弾性的性質についての実験的研究事例がいくつか報告されているが、各種鉱物の粘弾性的性質、特に温度圧力依存性は未だ不明である。そこで本研究では各種鉱物の粘弾性的性質の基礎的な理解を深める為の高温高圧SAOS測定(Small amplitude oscillatory shear test)を行った。
測定にはDHR(Waters Corp., e.g., Owens et al., 2020)を用いた。サンプルとしては、粉粒体状のスメクタイト、イライト、石英、国際深海科学掘削計画で取得された掘削コア(Saffer et al., 2019)を用いた。測定の結果、歪波形と応力波形の位相差の振幅依存性と圧力依存性が明らかになった。さらに圧力依存性について鉱物による違いも明らかになった。また、液相の粘性率の低下によるせん断応力の低下も観測された。本発表で得られた歪波形と応力波形の位相差の振幅依存性と圧力依存性に関する結果は既往の摩擦実験で得られた結果と相補的であり、各種鉱物のスティッフネスを反映したものと考えられる。本発表ではJop et al. (2006)及びPerrin et al. (2019)によるパラメータの無次元化に準じて実験結果を整理してスケールフリーな議論を目指す。また、歪波形と応力波形の位相差の振幅依存性と圧力依存性を、G’(弾性項)とG’’(粘性項)と粘性率の圧力依存性(Muramoto et al., 2020)の関係性を用いて定式化し、歪波形の振幅と定式化に基づく圧力係数との関係を示す。