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[SCG44-11] 階層パッチ構造をもつ動的破壊シミュレーションを用いた地震の震源パラメータのスケーリング則の検証
キーワード:動的破壊、階層パッチ構造、スケーリング則
地震破壊の成長過程とそれに伴う地震波の放射を理解することは、地震災害や減災のために重要である。震源パラメータのスケーリング則は地震破壊の成長過程を制約するのに使われるが、そのスケーリング則の成り立ちが摩擦則の特性に起因するのか、物性の不均質性に起因するのかどうかは明らかでない。本研究では、すべり弱化摩擦則に基づき、破壊エネルギーGcの階層構造を取り入れた断層上の自発的な動的破壊モデルが、地震の震源パラメータに関するいくつかのスケーリング則を説明できるという仮説を検証する。このシミュレーションはスペクトル要素法で行われており、Aochi and Ide (2003)によって提案された効率的な計算手法を取り入れている。まず、破壊エネルギーGcの階層的なパッチで特徴づけられた一次元断層上で、幅広いマグニチュード(M2からM6)の地震のシミュレーションを行った。次に、計算した地震の震源パラメータに関する様々なスケーリング則(地震モーメントと震源継続時間、マグニチュードと発生頻度の関係、モーメントの成長と時間、破壊エネルギーと地震性すべりなど)を定量化した。そして、モデルパラメータの値を変化させたときにこれらのスケーリング則がどのように変化するかを分析した。予備的な結果として、今回調べたモデルパラメータのうち、S値がスケーリング則のトレンドに大きな影響を与えており、スケーリング則がモデルパラメータの取りうる値の範囲を限定することが示唆された。今回得られたスケーリング則に影響を与える重要なモデルパラメータを特定し、このモデルを2次元断層に拡張するための取り組みを報告する。