日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG45] 地球深部とダイナミクス理解の新展開

2022年5月22日(日) 10:45 〜 12:15 301A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:渡辺 寛子(東北大学ニュートリノ科学研究センター)、コンビーナ:阿部 なつ江(国立研究開発法人海洋研究開発機構研究プラットフォーム運用開発部門マントル掘削プロモーション室)、小俣 珠乃(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、コンビーナ:McDonough William F(Department of Earth Science and Research Center for Neutrino Science, Tohoku University, Sendai, Miyagi 980-8578, Japan)、座長:阿部 なつ江(国立研究開発法人海洋研究開発機構研究プラットフォーム運用開発部門マントル掘削プロモーション室)、渡辺 寛子(東北大学ニュートリノ科学研究センター)

10:45 〜 11:00

[SCG45-01] マントル地球ニュートリノ直接観測に向け海洋底反ニュートリノ検出器の研究開発

★招待講演

*酒井 汰一1渡辺 寛子1、井上 邦雄1McDonough William1,2,3阿部 なつ江4荒木 英一郎4笠谷 貴史4、許 正憲4、櫻井 紀旭4上木 賢太4吉田 弘4 (1.東北大学 ニュートリノ科学研究センター、2.東北大学理学研究科、3.メリーランド大学、4.国立研究開発法人海洋海洋研究開発機構)

キーワード:地球ニュートリノ

U や Th といった地球内放射性起源の反電子ニュートリノ (地球ニュートリノ) の観測は 2005 年の KamLAND に よる世界初観測以降、観測精度の向上により地球科学的知見が得られるレベルに達している。しかし、KamLAND 等の大陸上の検出器では観測されるニュートリノの約 70% が地殻由来の反ニュートリノであり、より深く謎の多 いマントルの情報を得ることは難しい。海洋底反ニュートリノ検出器 (Ocean Bottom Detector) は、地殻がより薄 く U,Th の密度の小さい海洋で観測することによりマントル由来の地球ニュートリノの直接観測を目指すアイデア であり、地球深部の内部構造の解明に不可欠な観測値を与えることが期待される。また、この検出器は大陸上の検 出器の主要なバックグラウンド源である原子炉から離れることができ、移動式のため多地点で観測できるといった 独自の特徴がある。海底に検出器を沈めるアイデアは 2005 年にハワイ大学を中心に Hanohano という検出器とし て発案されたが、検出器の実現には至らなかった。しかし 2019 年より東北大と海洋研究開発機構の共同研究がス タートし、それぞれに蓄積された技術的、学術的知見を統合し、大型研究の実現に向けて動き出した。本講演では検出器構造物の開発と、シミュレーションをもとにした観測感度予測について発表する。