11:00 〜 13:00
[SCG47-P12] フォトンカウンティングCTの岩石試料への初適用例
地球の発達を理解する上で、地球表層の主要な構成物質である岩石の履歴を理解することは重要である。我々は地球上の様々な場所で産する岩石を採取し、情報を得るためには試料を切断、粉砕する過程が必要であり、知識や経験を必要とする。そこで岩石試料を非破壊かつ3次元的に観察することが可能になれば、岩石中の鉱物配列や形状、元素分布を知識・経験量を問わず、正確かつ客観的に知ることができる。以上の背景から我々は、岩石中の鉱物の配列や構造の観察および同定や元素分布を非破壊かつ3次元的に知ることを目的とし、次世代のCT技術として現在も技術開発がなされているフォトンカウンティングCT(PC-CT)を世界で初めて岩石試料に応用することを試みている。
フォトンカウンティングCT(PCーCT)とは、従来の検出器(エネルギー積分型X線検出器)と異なる検出器(エネルギー分解型X線検出器)を使用したCTである。この検出器を使うことによって検出器に入射する光子をエネルギーごとにカウントすることができる(Willemink et.al,2018)。これにより、X線の吸収の程度を表す線減弱係数のエネルギー依存性から撮影対象の物質を同定し、その密度や濃度の分布を推定するこも、適切なエネルギー領域を選択することによりアーチファクトの軽減、画像コントラストを向上させることなどが期待される。
これまでフォトンカウンティングCTを岩石試料に応用した例がない。そこで、本実験装置固有な条件において適切な試料サイズの検討を行なった。検討にはカンラン石粉末を使用し、円柱の直径10㎜前後の直径8㎜と12㎜の2種類の試料を撮影した。検討の過程では使用したエネルギー領域の違いを反映した複数の画像を得ることができた。さらに吸収の影響をうけにくい高エネルギーのデータを用いることで、画像アーチファクトを抑えたイメージを得ることもできた。本発表では、上記の予察的実験結果をもとに、鉱物の化学組成データと密度データから求めた理想的な値と比較を行った結果や、低エネルギー領域においても画像アーチファクトの影響の小さい直径8㎜の円柱状試料の撮影結果を元に低エネルギー領域のデータを用いた画像コントラストの向上可能性を報告する。
フォトンカウンティングCT(PCーCT)とは、従来の検出器(エネルギー積分型X線検出器)と異なる検出器(エネルギー分解型X線検出器)を使用したCTである。この検出器を使うことによって検出器に入射する光子をエネルギーごとにカウントすることができる(Willemink et.al,2018)。これにより、X線の吸収の程度を表す線減弱係数のエネルギー依存性から撮影対象の物質を同定し、その密度や濃度の分布を推定するこも、適切なエネルギー領域を選択することによりアーチファクトの軽減、画像コントラストを向上させることなどが期待される。
これまでフォトンカウンティングCTを岩石試料に応用した例がない。そこで、本実験装置固有な条件において適切な試料サイズの検討を行なった。検討にはカンラン石粉末を使用し、円柱の直径10㎜前後の直径8㎜と12㎜の2種類の試料を撮影した。検討の過程では使用したエネルギー領域の違いを反映した複数の画像を得ることができた。さらに吸収の影響をうけにくい高エネルギーのデータを用いることで、画像アーチファクトを抑えたイメージを得ることもできた。本発表では、上記の予察的実験結果をもとに、鉱物の化学組成データと密度データから求めた理想的な値と比較を行った結果や、低エネルギー領域においても画像アーチファクトの影響の小さい直径8㎜の円柱状試料の撮影結果を元に低エネルギー領域のデータを用いた画像コントラストの向上可能性を報告する。