11:00 〜 13:00
[SCG48-P10] 沖縄本島―宮古島間における海底地殻変動観測(序報)
キーワード:海底地殻変動、南西諸島海溝、海溝型地震
Tadokoro et al. [2018]では,沖縄本島南方および南東方の南西諸島海溝沿いに設置した2ヵ所の観測点における海底地殻変動観測結果から,プレート深度 12〜13km以浅のプレート境界に強い固着域があることを明らかにした.この固着域の場所は,Nakamura and Kinjou [2013]で報告されている1791年の津波イベントの震源域と一致するとともに,Nishimura [2014]で報告されている短期的スロースリップが活発な領域のすぐup-dip側に位置している.しかし,この2ヵ所での観測のみでは固着域の横方向の広がりは制約できない.
そこで,上記の固着域の南西側,沖縄本島から宮古島の間の海溝軸付近のプレート深度10km弱の海底に2ヵ所の観測点RKCとRKDを2016年9月に設置し,海底地殻変動観測を開始した.特にこの海域には島嶼が存在しないため,陸上のGNSS観測網の空白域となっている.そのため,当該海域におけるプレート間の固着状態を把握するためには海底地殻変動のモニタリングが不可欠である.両観測点の位置と深さ(楕円体高)は次のとおりである:
RKC:24.9309˚N,127.4813˚E,-3844m
RKD:24.4619˚N,126.9906˚E,-4090m
これまでに,RKCでは2016/09/29-30,2019/09/24,2021/09/20-21の3回,RKDでは2016/09/29と2021/09/21の2回の観測を実施した.精度の高い変位速度を得るためには観測回数が極めて少ないが,それでも3回の観測を2〜3年間隔で実施したRKC観測点では直線的な海底局位置座標の時系列が得られている.これまでの観測で得られた海底局位置座標の時系列から推定される変位速度ベクトル(暫定値)は,沖縄本島―宮古島間を固定した場合,RKCではN172˚W方向に21mm/y,RKDではN136˚E方向に41mm/yであった.ともに変位速度ベクトルはプレートの沈み込み方向を向いておらず,現時点では当該海域においてプレート間固着を示す積極的な証拠は得られていない.観測回数がわずか2回であるRKD観測点では,2022年にも観測を行う予定である.
謝辞:解析には国土地理院GEONET F5解を使用しました.本研究は,一部,本研究は文部科学省による「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の支援を受けました.記して感謝の意を表します.
そこで,上記の固着域の南西側,沖縄本島から宮古島の間の海溝軸付近のプレート深度10km弱の海底に2ヵ所の観測点RKCとRKDを2016年9月に設置し,海底地殻変動観測を開始した.特にこの海域には島嶼が存在しないため,陸上のGNSS観測網の空白域となっている.そのため,当該海域におけるプレート間の固着状態を把握するためには海底地殻変動のモニタリングが不可欠である.両観測点の位置と深さ(楕円体高)は次のとおりである:
RKC:24.9309˚N,127.4813˚E,-3844m
RKD:24.4619˚N,126.9906˚E,-4090m
これまでに,RKCでは2016/09/29-30,2019/09/24,2021/09/20-21の3回,RKDでは2016/09/29と2021/09/21の2回の観測を実施した.精度の高い変位速度を得るためには観測回数が極めて少ないが,それでも3回の観測を2〜3年間隔で実施したRKC観測点では直線的な海底局位置座標の時系列が得られている.これまでの観測で得られた海底局位置座標の時系列から推定される変位速度ベクトル(暫定値)は,沖縄本島―宮古島間を固定した場合,RKCではN172˚W方向に21mm/y,RKDではN136˚E方向に41mm/yであった.ともに変位速度ベクトルはプレートの沈み込み方向を向いておらず,現時点では当該海域においてプレート間固着を示す積極的な証拠は得られていない.観測回数がわずか2回であるRKD観測点では,2022年にも観測を行う予定である.
謝辞:解析には国土地理院GEONET F5解を使用しました.本研究は,一部,本研究は文部科学省による「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」の支援を受けました.記して感謝の意を表します.