11:00 〜 13:00
[SCG53-P03] 琵琶湖湖底湧水域で取得された潜航映像
キーワード:琵琶湖、湖底湧水、ROV
高島市沖の琵琶湖北西部には、水深約90-100mの直径4kmほどの湖盆が存在し、その中央部を南北に横切るように湖底湧水が分布することが報告されている (Kumagai et al., 2021)。琵琶湖の水収支において、湖底からの地下水の寄与は10~20%程度になると推定されているが、地下水によってもたらされる熱や物質も含めて、その実態は明らかになっていない。そのため、我々は小形ROVを用いて、湖底湧水のの実態を把握するため、我々は小形ROVによる湖底観察と採泥や採水を計画した。
2021年度より、マルチビーム型の魚群探知機が船底装備された滋賀県立大の実習調査船が「はっさかⅡ」の運用が始まった。小型ROVの潜航に先立って、マルチビーム型魚探を用いた水中音響異常地点の検出を行った後、異常が検出された地点付近でアンカーを入れて定点保持として小型ROVを投入・潜航させた。マルチビーム型魚探では、水中音響異常点の水平位置をおおよそ把握することができる。ROVが湖底を視認した後、その異常点の方向に向かってROVを移動させて湖底湧水の探索を行った。湖底は柔らかい泥で覆われており、ROVが湖底に接すると垂直スラスタによって泥が巻き上げられる状況であった。一方で、水中音響異常点の近傍では泥で覆われた湖底に白色変色域が多く観察されるようになる。一部では、大きさ数十cmのクレーター状の構造の中が白色域となっている所もあった。また、白色域の近傍では生きたヨコエビの群集が観察された。2021年8月30日の潜航では、複数のクレーター状の白色域からバブルが上昇するのを視認することができた。
ROVの機能強化のため、ROVの水中位置を知るためのUSBLとDVLの実装を試みた。12月の潜航では、ROVのトラブルのためにこれらの十分な検証はできなかったが、USBLとDVLが連動して動作することを確認した。また、ROV本体のカメラの性能が十分ではないため、ROVに取り付け可能なスタンドアロンの小形4kカメラも導入し、12月の潜航では4kカメラによるクリアな湖底の映像を取得することに成功した。
2021年度より、マルチビーム型の魚群探知機が船底装備された滋賀県立大の実習調査船が「はっさかⅡ」の運用が始まった。小型ROVの潜航に先立って、マルチビーム型魚探を用いた水中音響異常地点の検出を行った後、異常が検出された地点付近でアンカーを入れて定点保持として小型ROVを投入・潜航させた。マルチビーム型魚探では、水中音響異常点の水平位置をおおよそ把握することができる。ROVが湖底を視認した後、その異常点の方向に向かってROVを移動させて湖底湧水の探索を行った。湖底は柔らかい泥で覆われており、ROVが湖底に接すると垂直スラスタによって泥が巻き上げられる状況であった。一方で、水中音響異常点の近傍では泥で覆われた湖底に白色変色域が多く観察されるようになる。一部では、大きさ数十cmのクレーター状の構造の中が白色域となっている所もあった。また、白色域の近傍では生きたヨコエビの群集が観察された。2021年8月30日の潜航では、複数のクレーター状の白色域からバブルが上昇するのを視認することができた。
ROVの機能強化のため、ROVの水中位置を知るためのUSBLとDVLの実装を試みた。12月の潜航では、ROVのトラブルのためにこれらの十分な検証はできなかったが、USBLとDVLが連動して動作することを確認した。また、ROV本体のカメラの性能が十分ではないため、ROVに取り付け可能なスタンドアロンの小形4kカメラも導入し、12月の潜航では4kカメラによるクリアな湖底の映像を取得することに成功した。