日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG53] 活断層による環境形成・維持

2022年5月30日(月) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (28) (Ch.28)

コンビーナ:小泉 尚嗣(滋賀県立大学環境科学部)、コンビーナ:山野 誠(東京大学地震研究所)、笠谷 貴史(海洋研究開発機構)、コンビーナ:濱元 栄起(埼玉県環境科学国際センター)、座長:小泉 尚嗣(滋賀県立大学環境科学部)

11:00 〜 13:00

[SCG53-P04] 平行/屈曲部を持つ活断層における破壊過程の数値シミュレーション

岡田 一真1、*後藤 忠徳1 (1.兵庫県立大学大学院理学研究科)

キーワード:個別要素法、破壊、比抵抗構造

活断層の進化や地震発生過程を明らかにするために、3次元のアナログ岩盤モデルや数値モデルを使用した実験が行われている。従来の研究では、単純な地殻構造が扱われてきたが、活断層の分布は複雑であり、その複雑さが地震発生に影響を与える可能性が考えられる。そこで本研究では、数値シミュレーションを用いて、帯状の弱強度部を含む小岩盤がどのように変化・破壊するかを調べた。数値シミュレーションは、実験室での岩石破壊実験に比べて大きな利点がある。例えば、数値シミュレーションでは岩盤の内部変形・変形を立体的に観察することが可能である。この研究では、3次元個別要素法(DEM)を使用して、横ずれ断層運動について数値計算を実施した。ここでは様々なモデルについて計算を行ったが、例えば、2つの平行活断層を含む岩盤モデルについて数値シミュレーションを行った。このような状態は、野外の活断層ではよく見られる。また、長い断層の一部に曲げ部分があるモデルについても数値計算を行った。、数値シミュレーションによって、破壊の時空間パターンが明らかとなった。そこで、この破壊の分布を、山崎断層系に沿った実際の微小地震活動や地下構造(MT調査によって得られた比抵抗構造)と比較した。その結果、平行断層モデルで得られた破壊パターンが、観測された地下構造と整合的であることが明らかとなった。従って、3次元DEMシミュレーションは、活断層沿いの変形・破壊過程を理解する際に効果的であると言える。将来的には、得られた亀裂分布パターンから透水係数分布を推定し、地殻流体の循環や活断層周辺の環境の議論に利用できるように発展をさせたい。