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[SCG54-P05] 火山深部長周期地震の群発的特徴から示唆される地殻流体
キーワード:深部長周期地震、改良ETASモデル
火山深部長周期地震として代表的な島根県東部の活動は、特に群発的なものとして知られている[e.g., Aso et al., 2013; Kurihara and Obara, 2021]。一般に群発的な活動は、マイグレーションと呼ばれる空間的な移動様式から、流体存在下での拡散的な現象であることが示唆される。しかしながら、島根県東部の活動に限らず、深部長周期地震は震源決定精度に対して空間的広がりが小さいことから、顕著なマイグレーションを確認することは難しい。
本研究では、ETASモデル[Ogata, 1988]の改良を行うことで、点状クラスターなど、マイグレーションの見られない活動においても、拡散的な特徴を抽出する手法を開発した。具体的には、地震間のミクロな相互作用を表す時間関数として、大森則のようなべき関数項に加え、拡散現象を説明する指数関数項も考慮することで、新たな地震活動モデルを検討した。AICを指標として、本研究による改良ETASモデルの結果は、従来型ETASモデルより妥当なモデルとして示された。さらに、得られた改良ETASモデルに基づくシミュレーションにより、観測されるような特徴的な地震発生間隔の頻度分布も再現することができた。
以上のように、改良ETASモデルの開発と適用の結果、群発的な火山型深部長周期地震の背景には地殻流体の存在が示唆される。
本研究では、ETASモデル[Ogata, 1988]の改良を行うことで、点状クラスターなど、マイグレーションの見られない活動においても、拡散的な特徴を抽出する手法を開発した。具体的には、地震間のミクロな相互作用を表す時間関数として、大森則のようなべき関数項に加え、拡散現象を説明する指数関数項も考慮することで、新たな地震活動モデルを検討した。AICを指標として、本研究による改良ETASモデルの結果は、従来型ETASモデルより妥当なモデルとして示された。さらに、得られた改良ETASモデルに基づくシミュレーションにより、観測されるような特徴的な地震発生間隔の頻度分布も再現することができた。
以上のように、改良ETASモデルの開発と適用の結果、群発的な火山型深部長周期地震の背景には地殻流体の存在が示唆される。