16:00 〜 16:15
[SCG55-03] ベイズ最適化を用いた地震動指標値分布に基づく地震断層面の逐次推定手法の開発
キーワード:地震断層面、地震動指標、ベイズ最適化
地震直後に、発生した地震がどのようなものであったのかを知ることは学術および防災の両面で重要である。現状は、震源決定による震源位置および地震規模(マグニチュード)の推定や、点震源を仮定したモーメントテンソルインバージョンによる断層メカニズム解の推定が、自動的かつルーティン的に行われている。また地殻変動の空間分布を用いた矩形断層モデルの自動推定(REGARDS, Kamawamoto et al. 2017; GlarmS, Grapenthin et al. 2014; G-FAST, Crowell et al. 2016)や地震動振幅の空間分布を用いた線震源モデルの自動推定(FinDer; Bose et al. 2018)も行われている。本研究では、地震動指標値の空間分布に基づく新たな地震断層面の推定手法を提案する。
地震動指標値の空間分布と地震の断層面情報をつなぐものとして、本研究では地震動予測式を用いる。地震動予測式は、地震規模や震源位置などの情報から、任意地点での地震動指標を予測することを目的として作成されている。近年の地震動予測式では、大地震における断層破壊の空間的な有限性を考慮するために、点震源を仮定した震源距離を用いるのではなく、解析対象とする地震の断層面を設定し、その面に基づく距離(例えば断層最短距離)を用いている。ここでは地震動予測式として、Morikawa and Fujiwara (2013)による地震動予測式の内陸地震タイプに対する基礎式と深部地盤および表層地盤の地震動増幅に関する補正式を用いた。対象とする地震動指標値は震度とした。推定パラメータは、断層面中央の緯度・経度・深さ、断層面の長さと幅、断層面の走向と傾斜、モーメントマグニチュードである。
観測された地震動指標の空間分布を再現する地震断層面を逐次的に推定していくことを考える。この推定問題は非線形であり、また解の分布が不連続となる可能性もあるため、ブラックボックス最適化問題の一つとみなすことができる。ブラックボックス最適化問題は一般的にグリッドサーチやランダムサーチによって解かれるが、パラメータの組み合わせ数が多い場合には最適値にたどり着くまでに時間を要する。本研究ではより効率的な探索手法であるベイズ最適化を用いる。ベイズ最適化ツールとしてPreferred Networksによるオープンソースのハイパーパラメータ自動最適化フレームワークOptuna(Akiba et al. 2019)を用いた。ベイズ最適化のアルゴリズムにはTree-structured Parzen Estimator (Bergstra et al. 2011, 2013)を用いた。
理論テストを試行的に行ったところ、開発手法は設定値に近い解を求めることができたとともに、推定パラメータによって解のばらつき度合いが異なることや地震規模が小さいと断層の有限性に関係する推定パラメータがよく決まらないことが確認された。
地震動指標値の空間分布と地震の断層面情報をつなぐものとして、本研究では地震動予測式を用いる。地震動予測式は、地震規模や震源位置などの情報から、任意地点での地震動指標を予測することを目的として作成されている。近年の地震動予測式では、大地震における断層破壊の空間的な有限性を考慮するために、点震源を仮定した震源距離を用いるのではなく、解析対象とする地震の断層面を設定し、その面に基づく距離(例えば断層最短距離)を用いている。ここでは地震動予測式として、Morikawa and Fujiwara (2013)による地震動予測式の内陸地震タイプに対する基礎式と深部地盤および表層地盤の地震動増幅に関する補正式を用いた。対象とする地震動指標値は震度とした。推定パラメータは、断層面中央の緯度・経度・深さ、断層面の長さと幅、断層面の走向と傾斜、モーメントマグニチュードである。
観測された地震動指標の空間分布を再現する地震断層面を逐次的に推定していくことを考える。この推定問題は非線形であり、また解の分布が不連続となる可能性もあるため、ブラックボックス最適化問題の一つとみなすことができる。ブラックボックス最適化問題は一般的にグリッドサーチやランダムサーチによって解かれるが、パラメータの組み合わせ数が多い場合には最適値にたどり着くまでに時間を要する。本研究ではより効率的な探索手法であるベイズ最適化を用いる。ベイズ最適化ツールとしてPreferred Networksによるオープンソースのハイパーパラメータ自動最適化フレームワークOptuna(Akiba et al. 2019)を用いた。ベイズ最適化のアルゴリズムにはTree-structured Parzen Estimator (Bergstra et al. 2011, 2013)を用いた。
理論テストを試行的に行ったところ、開発手法は設定値に近い解を求めることができたとともに、推定パラメータによって解のばらつき度合いが異なることや地震規模が小さいと断層の有限性に関係する推定パラメータがよく決まらないことが確認された。