11:00 〜 13:00
[SGC36-P04] 地震波に起因する地下水中二酸化炭素気泡の成長と水位変化
キーワード:二酸化炭素、気泡成長、地震、地下水位変化
【背景と目的】
地震によって、震源周辺および震源から離れた場所で地下水位の変化が生じる場合がある。いくつかの水位変化は地震時の静ひずみ変化で説明できるが、多くの水位変化の理由は明らかではない。地震により堆積物の非排水性圧密や亀裂の拡張、地下水中での気泡核生成・気泡成長といったメカニズムが提案されている。そこで本研究では、地下水中の気泡形成に注目し、理論的考察に基づいた数値計算手法を用いて地震波による圧力摂動に起因する気泡成長による水位変化の評価を行うことを目的としている。
【手法】
Tisato et al. (2015) で用いられた単一気泡成長モデルを用いて、水圧のステップ減圧および圧力振動に対する気泡半径・気液体積比の時間変化を調べた。ステップ減圧の時にはその減圧幅を、圧力振動の時にはその振動数や振幅、および気泡数密度を変化させて計算を行った。
【結果と考察】
矩形的な圧力変化を与えた場合、単一気泡は減圧後単調に成長し、成長は平衡状態に達するまで続いた。一方、多気泡では、同様に気泡は成長したが、最終的な気液体積比は1%未満であった。次に圧力振動に伴う気泡成長を調べた。気泡半径は振動しながら、ステップ状の減圧に対する応答と同様に成長し、それは平衡状態に達するまで続いた。多気泡でも同様に各気泡は成長した。圧力振動終了時での気液体積比は、初期状態での気泡数密度に依存しており、また気泡数密度が同じ場合は圧力振動の振幅の増大、振動数の減少に伴い増加した。気泡数密度を大きくすると、振動終了時の気液体積比が極大値となる振動数が増大するような結果が得られた。この結果は、水位変化量の差異についても地震波の振幅や振動数から説明できる可能性があることを示唆しており、気泡の共鳴振動数などについてより考察が必要であると考えられる。本研究は気泡半径の変化および気液体積比の計算のみであるが、エアリフトや多孔質弾性体中の二相流のモデリングも行うことにより、実際の水位観測データと比較可能な結果が得られると考えられる。
地震によって、震源周辺および震源から離れた場所で地下水位の変化が生じる場合がある。いくつかの水位変化は地震時の静ひずみ変化で説明できるが、多くの水位変化の理由は明らかではない。地震により堆積物の非排水性圧密や亀裂の拡張、地下水中での気泡核生成・気泡成長といったメカニズムが提案されている。そこで本研究では、地下水中の気泡形成に注目し、理論的考察に基づいた数値計算手法を用いて地震波による圧力摂動に起因する気泡成長による水位変化の評価を行うことを目的としている。
【手法】
Tisato et al. (2015) で用いられた単一気泡成長モデルを用いて、水圧のステップ減圧および圧力振動に対する気泡半径・気液体積比の時間変化を調べた。ステップ減圧の時にはその減圧幅を、圧力振動の時にはその振動数や振幅、および気泡数密度を変化させて計算を行った。
【結果と考察】
矩形的な圧力変化を与えた場合、単一気泡は減圧後単調に成長し、成長は平衡状態に達するまで続いた。一方、多気泡では、同様に気泡は成長したが、最終的な気液体積比は1%未満であった。次に圧力振動に伴う気泡成長を調べた。気泡半径は振動しながら、ステップ状の減圧に対する応答と同様に成長し、それは平衡状態に達するまで続いた。多気泡でも同様に各気泡は成長した。圧力振動終了時での気液体積比は、初期状態での気泡数密度に依存しており、また気泡数密度が同じ場合は圧力振動の振幅の増大、振動数の減少に伴い増加した。気泡数密度を大きくすると、振動終了時の気液体積比が極大値となる振動数が増大するような結果が得られた。この結果は、水位変化量の差異についても地震波の振幅や振動数から説明できる可能性があることを示唆しており、気泡の共鳴振動数などについてより考察が必要であると考えられる。本研究は気泡半径の変化および気液体積比の計算のみであるが、エアリフトや多孔質弾性体中の二相流のモデリングも行うことにより、実際の水位観測データと比較可能な結果が得られると考えられる。