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[SGD01-P09] 2020年末から開始した能登半島での継続的微小地殻変動のSentinel-1 SAR時系列解析による検出
キーワード:地殻変動、InSAR
2020年の終わり頃より、能登半島においてこれまでの定常的変位時系列とは異なるトレンドを持つ地表面変位がGNSS観測網(GEONET)により検出された。能登半島はプレート境界からは空間的に大きく離れているものの、地震計による観測からこの地殻変動は地震の群発を伴っていることが見て取れる。西村ほか(2021, 日本測地学会講演会)は, この地殻変動と地震の群発が沈み込むプレートから供給された水が断層面に貫入し, これらの活動を引き起こしているのではないかと仮説を立てている。本研究ではSentinel-1 InSARの時系列解析を用いて能登半島で発生している地殻変動のより詳細な空間分布を推定し、その発生メカニズム改名を目的とする。
InSAR解析では、本研究はSentinel-1から得られたSAR SLC画像をISCE2ソフトウェアで干渉解析し、時系列解析に必要な干渉画像を生成した。これら干渉画像を用いて、LiCSBASソフトウェアにより時系列解析を実施した。干渉解析において軌道縞や地形縞については、高精度軌道情報と1秒メッシュSRTM DEMによりシミュレート、除去している。予稿投稿時点において、大気遅延補正は適用していない。上記のInSAR時系列解析をascending、descending軌道の両方で実施し、2.5次元解析を適用して準鉛直変位速度および準東西変位速度に変換している。
解析の結果、Sentinel-1 InSAR時系列から得られた地表面変位速度は2020年の終わり頃から地殻変動が開始したことを示唆しており、これはGNSS観測で得られている結果と整合している。推定された最大変位速度は、ascending軌道の変位速度で13 mm/year、descending軌道の変位速度で15 mm/yearであった。2.5次元解析の推定結果より、能登半島の東端において隆起が卓越していることが示唆され、この結果もGNSS観測と整合的である。得られた地表面変位の空間分布より地中に膨張圧力源の存在が示唆されるものの、メカニズムの特定には矩形断層モデルや球状圧力源モデルを利用するなどして更なる研究が必要である。講演ではこれら結果の報告に加え、InSAR大気遅延補正や変位を説明する定量的モデルの推定を実施予定なので、それら結果についても報告する。
InSAR解析では、本研究はSentinel-1から得られたSAR SLC画像をISCE2ソフトウェアで干渉解析し、時系列解析に必要な干渉画像を生成した。これら干渉画像を用いて、LiCSBASソフトウェアにより時系列解析を実施した。干渉解析において軌道縞や地形縞については、高精度軌道情報と1秒メッシュSRTM DEMによりシミュレート、除去している。予稿投稿時点において、大気遅延補正は適用していない。上記のInSAR時系列解析をascending、descending軌道の両方で実施し、2.5次元解析を適用して準鉛直変位速度および準東西変位速度に変換している。
解析の結果、Sentinel-1 InSAR時系列から得られた地表面変位速度は2020年の終わり頃から地殻変動が開始したことを示唆しており、これはGNSS観測で得られている結果と整合している。推定された最大変位速度は、ascending軌道の変位速度で13 mm/year、descending軌道の変位速度で15 mm/yearであった。2.5次元解析の推定結果より、能登半島の東端において隆起が卓越していることが示唆され、この結果もGNSS観測と整合的である。得られた地表面変位の空間分布より地中に膨張圧力源の存在が示唆されるものの、メカニズムの特定には矩形断層モデルや球状圧力源モデルを利用するなどして更なる研究が必要である。講演ではこれら結果の報告に加え、InSAR大気遅延補正や変位を説明する定量的モデルの推定を実施予定なので、それら結果についても報告する。