日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-IT 地球内部科学・地球惑星テクトニクス

[S-IT22] 固体地球科学と材料科学の融合が切り拓く新展開

2022年5月31日(火) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (24) (Ch.24)

コンビーナ:河合 研志(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、コンビーナ:土屋 旬(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、大村 訓史(広島工業大学)、コンビーナ:辻野 典秀(岡山大学・惑星物質研究所)、座長:河合 研志(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、土屋 旬(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、大村 訓史(広島工業大学)、辻野 典秀(岡山大学・惑星物質研究所)

11:00 〜 13:00

[SIT22-P02] 第一原理熱力学積分法による氷超イオン相の自由エネルギー計算

*土屋 旬1土屋 卓久1 (1.愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)

氷の超高圧高温下における構造・物性解明は物理・化学・惑星科学分野において非常に重要である。氷は約100 GPa, 2000 K以上において酸素副格子中を水素が流動的にふるまう超イオン相をとると考えられている。一方で、そのような状態を実験的に直接検出することは非常に挑戦的である(Milllot et al. 2018)。最近の研究では機械学習型原子間ポテンシャルを用いた物質シミュレーション手法により、超高圧高温条件下で氷超イオン相の酸素副格子が体心立方から面心立方格子へと変化する可能性が指摘されている(Cheng et al. 2021)。本研究では、自由エネルギーを決定する主要な手法のひとつである熱力学積分法を第一原理分子動力学計算法と組み合わせ開発した第一原理熱力学積分法を、液体と固体の特徴を持ち合わせる氷超イオン相へ適用し、自由エネルギー計算を行った試みを紹介する。
Milllot, M. et al. Nat. Phys. 14, 297-302 (2018)
Cheng, B. et al. Nat. Phys. 17, 1228-1232 (2021)