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[SSS03-05] 海底光ファイバーケーブルを用いた津軽海峡での地震観測
キーワード:光ファイバー分布型音響センシング、光ファイバー歪、津軽海峡
陸域に比べると海域は定常的な海底地震観測点が少ないため、海域の地震発生状況の詳細な把握、特に浅い地殻内の地震の把握には近傍観測がない場合困難である。近年光ファイバーに分布する歪の変化を観測することで地震等の観測を行う技術(分布型音響センシング; DAS)などが使われ始め、これを海底に敷設された海底光ファイバーケーブルに適用することによって、海域の地震近傍での詳細観測が可能であると考えられる。そこで、今回、津軽海峡付近に敷設されている海底光ファイバーにDAS及び、50km弱の光ファイバー全長の変化を詳細に計測する長基線光ファイバー観測技術を適用し、海底光ファイバーをセンサーとして用いた海域での地震の観測可能性の検討を行った。
観測は、DASについてはAP Sensing 社DAS N5200を海底光ファイバーケーブルの陸上端に接続し、2021/9/21-9/30および2021/12/14-12/23 の2回の期間にわたって連続的に行った。また、長基線光ファイバー観測技術は、海底光ファイバーケーブルのDAS観測とは別の心線を使用し、海底光ファイバーの一端に高安定レーザー光源(SLS-INT-1500-200-1)とレーザー光干渉計、ファラデーミラーを接続、他端にファラデーミラーを接続することで、海底光ファイバーケーブル全長を往復するレーザー光位相変化を計測する構成で、2021/8/26- 12/23の期間、途中欠測が生じたものの連続的に観測を実施できた。
DASによる観測では、2回の観測期間それぞれ50個以上の地震を観測できた(図1に例を示す)。なかには気象庁マグニチュード1未満の近傍の地震も含まれており、地震の検出に高い能力があることが示された。また、観測記録からは、津軽海峡の海況の影響で0.1-2Hz においては脈動ノイズが卓越しており、特に冬季にはノイズレベルが高いが、2Hz 以上においてはそれほど大きな違いはみられなかった。DASによる地震記録と近傍の陸上地震観測記録を比較したところ、複数の地震で海底のDASによる地震記録にP, S相の他にも陸上と連続的につながる後続相が確認できた。このことは、陸上地震記録と統合した解析を行うことによって、これまで疎な陸上観測記録のみでは解析しえなかった海域の詳細な地震波構造解析を行える可能性を示すものである。
長基線光ファイバー観測技術による観測では、近傍での地震記録が得られたほか、いくつかの遠地地震については長周期地震動の観測が行えた(図2)。これは、海底での広帯域地震観測や、より長い周期の海底地殻変動観測への可能性を示すものであるが、光ファイバーケーブルの陸上部のノイズの除去や、大きな地震動についても応答できる速度の観測系の必要性など技術的な課題についても明らかにするものである。
観測は、DASについてはAP Sensing 社DAS N5200を海底光ファイバーケーブルの陸上端に接続し、2021/9/21-9/30および2021/12/14-12/23 の2回の期間にわたって連続的に行った。また、長基線光ファイバー観測技術は、海底光ファイバーケーブルのDAS観測とは別の心線を使用し、海底光ファイバーの一端に高安定レーザー光源(SLS-INT-1500-200-1)とレーザー光干渉計、ファラデーミラーを接続、他端にファラデーミラーを接続することで、海底光ファイバーケーブル全長を往復するレーザー光位相変化を計測する構成で、2021/8/26- 12/23の期間、途中欠測が生じたものの連続的に観測を実施できた。
DASによる観測では、2回の観測期間それぞれ50個以上の地震を観測できた(図1に例を示す)。なかには気象庁マグニチュード1未満の近傍の地震も含まれており、地震の検出に高い能力があることが示された。また、観測記録からは、津軽海峡の海況の影響で0.1-2Hz においては脈動ノイズが卓越しており、特に冬季にはノイズレベルが高いが、2Hz 以上においてはそれほど大きな違いはみられなかった。DASによる地震記録と近傍の陸上地震観測記録を比較したところ、複数の地震で海底のDASによる地震記録にP, S相の他にも陸上と連続的につながる後続相が確認できた。このことは、陸上地震記録と統合した解析を行うことによって、これまで疎な陸上観測記録のみでは解析しえなかった海域の詳細な地震波構造解析を行える可能性を示すものである。
長基線光ファイバー観測技術による観測では、近傍での地震記録が得られたほか、いくつかの遠地地震については長周期地震動の観測が行えた(図2)。これは、海底での広帯域地震観測や、より長い周期の海底地殻変動観測への可能性を示すものであるが、光ファイバーケーブルの陸上部のノイズの除去や、大きな地震動についても応答できる速度の観測系の必要性など技術的な課題についても明らかにするものである。